日本から直行便のフラメンコ旅。ヨーロッパのフラメンコフェスティバルのご紹介。

2013年がスタートしました。今年もスペインのフラメンコを身近に感じていただけるよう、フラメンコ・ウォーカーがレポートしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします!

このコーナーでは、本場スペインのフラメンコアーティストをご紹介していますが、やはり「百聞は一見に如かず」。現地に行き、地元の人々やアフィシオナード(ファン)達の間で観るコンサートは、観光客がほとんどのタブラオとは違った雰囲気があります。できれば、直接、アーティストの放つアイレ(空気感)とアルテ(芸術)を感じていただける機会があればと思っています。しかし、時間、費用面からも日本からはややアクセスしにくいスペイン。また、せっかく行っても、有名アーティストの公演とスケジュールが合うかどうか?またチケットが取れるのか?ということを考えれば、気軽に「じゃあ、スペインに行ってみればいいじゃない」などとは言えません。

46029_459726507406931_40849585_n.jpgそれでも「行って "観たい"!」という方には、数日間にわたり同じ会場や近隣地区で公演が行われるフェスティバルに日程を合わせて行くのがお薦めです。毎年2月末から3月にかけて開催されるヘレスのフェスティバル、そして2年に一度のセビージャのビエナルを始め、マドリードやバルセロナなどスペイン各地で年間を通してフラメンコ・フェスティバルが開催されています。まとまった日程の取れる場合、またはちょうどフェスティバル開催中にその街を訪れる場合には、現地での公演鑑賞にトライしてみてはいかがでしょう。

では、短い日程の中で、なんとか "CDで聴いたあのアーティストを生で聴きたい"、"映像で見たあのアーティストの踊りを観たい" という場合、その裏技として日本からの直行便があるヨーロッパの国でのフラメンコ鑑賞という手があります。ヨーロッパ諸国では、ここ数年フラメンコの公演やフェスティバルが増えています。出演者には、スペインのトップアーティスト達が目白押し。日程が合えば、とてもラッキーなフラメンコ旅となるでしょう。昼間は観光、夜はフラメンコということなら、 "まだ" フラメンコファンではない人とのご旅行でも、「ついでに」と一緒に楽しむことができるかもしれません。そして、幸か不幸か(?)連れて行かれた方にも、お得な思い出になるような素晴らしいラインナップのフェスティバルが開催されていますので、その例をご紹介します。

各国でのフェスティバルは、その国の嗜好も反映されたプログラムとなります。例えば、アムステルダムを中心とした4都市で開催され今年で4年目となるオランダのフラメンコ・ビエンナーレ(Flamenco Biennale)。今年のポスターは、右上のイスラエル・ガルバンの姿を使ったお洒落なもの。プログラムはこちらです。今年の場合、1/21~26の1週間アムステルダムに滞在したとしたら、エル・シガラ、イスラエル・ガルバン、イサベル・バジョン、アルカンヘル、ディエゴ・カラスコというスター達を一気に観ることができたのです。今年は既に始まってしまいましたが、来年以降是非チェックしてみて下さい。

アムステルダム同様、日本からの直行便のあるパリ。昨年、このコーナーでご紹介したフラメンコフェスティバル "Flamenco a la Villette"が今年も5月16日?18日に開催されます。フランスでは、スペインの隣国ということもあって、スペイン人アーティストによるフラメンコ公演が多く行なわれています。南部のニームやモン・デ・マルサンでは、20年以上前から続いている有名なフラメンコフェスティバルがあります。
さて、パリ市内のラ・ヴィレット公園で開催されるこのフェスティバルは、3日間という短い期間ですが2部構成になっているので、2公演を一夜で鑑賞することができます。つまり3日で6公演観られることになります。そのプログラムはと言うと...
1日目 1部:ホセ・メルセー(Jose Merce)コンサート
    2部:ファルキート&カリメ・アマジャ(Farruquito , Karime Amaya)
2日目 1部:タブラオ・コルドベス&パストーラ・ガルバン
        (Tablao Cordobes with Pastora Galvan)
     2部:エストレージャ・モレンテ( Estrella Morente)コンサート
3日目  1部:クンブレ・フラメンカ(Cumbre Flamenca)
     2部:トマティート(Tomatito)コンサート

flyFlamencoK-1.jpg看板アーティストだけ見ても垂涎の3日間ですが、共演者達も一流どころ。17日の "タブラオ・コルドベス" には、バイラオールのエル・フンコ、18日のクンブレ・フラメンカでは、バイレにカルメン・レディスマ、カレテ、カンテにはフアン・ホセ・アマドール、マリ・ペーニャら、ギターはアントニオ・モジャの出演が予定されています。(但し、これらは一般に公表されていない情報のためメンバー変更の可能性はありますので、あくまでも事前情報ということでご了承下さい。)思わず名前を列挙してしまいましたが、つまりは本国スペインでもこれだけのメンバーによる公演を3日間で体験できることは珍しく、かなりお得なフェスティバルということです。パリ観光を兼ねて、トップアーティストによる公演を楽しむチャンスです。公演チケットは既にインターネットで販売されております。サイトはこちらです。(但し、フランス語のサイトです)。
その他、ロンドン、ロシアなどでも、なかなか濃いラインアップのフェスティバルが行なわれています。海外旅行をご計画の際には、行き先の都市でのフラメンコ公演の予定もチェックしてみて下さい。

3つの壁の乗り越え方

【フラメンコに行き詰まりを感じている方へ】

フラメンコ(カンテ/踊り/ギター/他)が難しい...
先行きが見えない...
壁を感じている...