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第55回 2015年フラメンコシーズン始動!&ロシオ・モリーナ「Bosque Ardora」[Vol.55]Festival de Nimes, Países Bajos y Flamenco viene del sur

さあ、2015年。新たな1年がスタートいたしました!もうすぐ4年目に入りますこのコーナー「フラメンコ・ウォーカー」、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

FestivalFlamencoNimes2015.jpg年が明けて、早速明日、1月11日から25日まで、フランスのニームで今年で25回目となるフラメンコ・フェスティバルが開幕します。今年のラインナップはかなり強力。昨年のセビージャのフラメンコ・フェスティバル、ビエナルで活躍した、若手ダビ・コリア(David Coría : バイレ)のソロ公演に始まり、イスラエル・ガルバン(Israel Galván : バイレ)マイテ・マルティン(Mayte Martín : カンテ)ベレン・マジャ(Belén Maya : バイレ)、セグンド・ファルコン(Segundo Falcón : カンテ)、レブリハーノ(El Lebrijano : カンテ)、エル・ペレ(El Pele : カンテ)、ロシオ・モリーナ(Rocío Molina : バイレ)などなど。もう一度観たい、聴きたい公演が続々なうえに、故パコ・デ・ルシア(Paco de Lucía)へのオマージュ企画もあります。飛んで行けないのが非常に残念です。プログラムは>こちら
このニームのフラメンコ・フェスティバルの今年のフィナーレを飾るのが、ビエナルでも上演されたロシオ・モリーナの新作「アルドラの森 (Bosque Ardora)」です。土、日と週末二日間に公演がセットされているところにも注目度の高さを感じます。

rocio_molina-783x335-1397466301.jpg実は、昨年のビエナルレポートで、まだまだ書き切れていない印象的だった公演がたくさん残っています。その中のひとつがこの「Bosque Ardora」。この作品、まず映像で中世の女狩人のような姿のロシオが馬にまたがって森の中を駆けていく姿が大きく映し出されます。観ている方も一緒に森の中に入り込んだような感覚が芽生えて来た頃、舞台が始まりました。(左上写真:(C)La Bienal )
「強い女性」を描きたい、と作品の記者会見で語っていたように、ロシオは勇ましく、2人の男性に対しても互角に、いやそれ以上にパワフルに立ち向かっていきます。時にはワイルドな動物のように。しかし、女であるが故の弱さも露呈していきます。身体的な力の差や社会的制圧の中で、傷つき、苦しみもがく姿も激しく官能的に表現。

IMG_6756.JPGロシオは自分の踊りの世界を広げるために、いつも即興力を磨いています。例えば、セントラルパークにラジカセを持って行き、一日中踊る。近くにいるストリートアーティストとセッション。セビージャにいる時は、カンタオーラのロサリオ・ラ・トレメンディータ(Rosario La Tremedita)が毎回違う曲を選び、それに合わせて踊る。そして、なんと、この即興トレーニング、フランスの刑務所の中でもやったそうです。環境による自分の心理状態によっても、新しい発見があるのでしょう。このような日々の試みの中から出て来た動きや振りを、今回の作品の中にも取り入れたとのこと。昨年日本で来日公演もしたロシオ・モリーナ。その演出や衣装から「コンテンポラリー」と混同されがちですが、そもそもは伝統的フラメンコバイレの土台のしっかりあるバイラオーラです。他ジャンル出身のダンサーがその身体能力を活かしてフラメンコに転向したり、フラメンコに他ジャンルのテクニックを取り入れてオリジナリティーを出そうとするのとは全く違うのです。独自の方法で培われたインスピレーションから湧き出てくる動きや発想が、観客の目には非常に現代的で個性的に映るゆえではないかと思います。(舞台写真 Foto (C) Antonio Acedo / La Bienal)
さて、この作品には私たち日本人には嬉しいサプライズもありました。ヒントは、"フラメンコでファンタジーの世界を観たのは初めて!"。ロシオは大の宮崎駿ファン。冒頭からエンディングまで、宮崎作品を彷彿させるシーンがいくつもありました。>こちらで初演時のこの作品の模様がちらりとご覧いただけます。

ヨーロッパのフェスティバルと言えば、オランダでも恒例の「フラメンコ・ビエンナーレ(Flamenco biennale)」がアムステルダムなど4都市で1月16日から2月3日まで開催されます。プログラムはこちら
こちらにも、ベレン・マジャ(バイレ)、カニサーレス(Cañizares : ギター)、マリナ・エレディア(Marina Heredia : カンテ)らのコンサートや2012年のセビージャのビエナルで好評を博した作品「アレルヤ・エロティカ (Aleluya Erótica)」の再演、イスラエル・ガルバンの話題作「トロバカ(TOROBAKA)」など個性的なプログラム内容です。

flamencovienedelsur2015.jpgそして、本国スペインでも「フラメンコ・ビエネ・デル・スール(Flamenco viene del sur : フラメンコは南から)」シリーズがスタートします。セビージャ、グラナダ、マラガの三都市で2月下旬から4月下旬まで、合計23公演、112人のアーティストの出演が予定されています。日程はこちら。アンダルシア舞踊団の「イマヘネス (Imágenes)」がセビージャとグラナダの両方で公演。舞踊団の若手トップバイラオーラ、アナ・モラーレス(Ana Morales)や同じく舞踊団メンバーで昨年のヘレスで注目されたバイラオール、アルベルト・セジェス(Alberto Sellés)のソロ公演や、ギターのディエゴ・デ・モロン(Diego de Morón)ペペ・アビチュエラ(Pepe Habichuela) の共演。カンテも充実で、うーん、『どこでもドア』で簡単にどの公演にも行きたいものです。

フラメンコ・ウォーカーでは、前回お知らせしたヘレス・デ・ラ・フロンテーラのフラメンコフェスティバルの模様を中心に、ビエナルの公演やその他の鑑賞公演やアーティストの話も交えながら、今後もお届けして行く予定です。どうぞ、ご愛読のほどよろしくお願いいたします。

また、スペインのフラメンコ番組担当者からの依頼で、日本のフラメンコ歌手の歌声を募集しています。使用目的は、現時点ではオンエアなどのためではなく、今後の参考にということです。自薦、他薦問いませんので、ご氏名、歌手名を御記載のうえ、音声ファイルや声の聴けるURLをinfo_flamencolabo@me.comまでお寄せください。

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坂倉まきこ(Makiko Sakakura) プロフィール

1994年から10年間ラテンアメリカで過ごす。そこでフラメンコと出会い、本場スペインに通い始める。数多くのアーティストの舞踊クラスに参加する一方、カンテ、ギター公演も見逃すことなく各地で鑑賞。日本へ帰国後、スペインでの経験を活かし、コーディネーターとしてスペイン人アーティスト招聘企画やフラメンコ通訳、翻訳、執筆などに携わる。現在も日本〜スペインの往復を続けながら、フラメンコの広報活動に従事。主な仕事にアルカンヘル来日公演の企画制作、NHK「黒木メイサ スペイン フラメンコ 魂の踊りと出会う旅」コ―ディネイタ―、DVD「アントニオ・ガデスその人生と舞踊の倫理」字幕作成等。スペインのフラメンコ誌Guia FLAMA 日本担当(www.guiaflama.com)、2012年ビエナル・デ・セビージャ:ヒラルディージョ賞審査員。

坂倉まきこへのお問い合わせはこちら

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    芸術の秋!と言いますが、他にも食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋...結構いろいろ...