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第146回 2020年のフェスティバル・デ・ヘレスのクラス案内と「コンパス・デル・カンテ(Compás del Cante)」賞/Programa de Area formativa del Festival de Jerez 2020 y Premio Compás del Cante

一番暑い夏がやって来る前の7月は、スペイン各地で野外フェスティバルが開催されていました。そして、8月も夏休みと絡んで、夏の夜長を楽しむフラメンコイベントは目白押しのスペイン。日本と比べると、陽射しは強いですが湿度は低いので、比較的過ごしやすい...と言えるかどうかは、近年の温暖化の気候の中、微妙なところです。しばらく更新ができなかったフラメンコ・ウォーカーですが、8月後半からは恒例の「フラメンコ・オン・ファイヤー」の取材レポートをお送りしていく予定です。

その前に、こちらも恒例のヘレス・デ・ラ・フロンテーラの「フェスティバル・デ・ヘレス(Festival de Jerez)」のレッスンの予定が、公式ホームページにて既に発表されております。ここをクリック。来年の開催期間は、2月22日から3月9日まで。

「CURSOS 2020」が、2000年のクラス案内。
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左から、
Programa de Cursos - Edición 2020 が、バイレクラスのプログラム。

Cursos y Talleres Intensivos - Edición 2020は、今年から始まった、短期集中クラス。ジュニア向けや教授法、ヘレスならではのブレリアのクラスがあります。

Talleres de Compás y Palmas y de Castañuelas - Edición 2020は、パルマやカスタネットのクラス。

それぞれのページの下方に、赤い枠でINSCRIPCIONESとあり、申し込み方法の説明ページへとリンクしますが、スペイン語のページとなります。その内容を英語で書いてあるページは、こちらにあります。

クラスの申し込みスタートは、9月4日からですので、お間違えのないように。


unnamed-6.jpgさて今回は、近年あまり日本には紹介されていませんが、今年で32年目となる「コンパス・デル・カンテ(Compás del Cante)」について。

この賞は、クルス・カンポ財団の主催で、今年は去る5月29日にセビージャで授賞式が行われました。クルス・カンポと言えば、アンダルシアでよく飲まれている、セビージャのビール会社。カディス出身の兄弟が立ち上げ、1904年に最初のビールが発売されて以来、今や欧州で飲まれているビールのトップテンにも入り、30ヶ国以上に輸出されています。ラベルのビール腹のおじさん(実は伝説のビール王、ガンブリヌス)にちなんで、ビール腹の人のことを「クルスカンポな下っ腹だね」なんて言うこともあるくらい、親しまれています。このロゴデザインの変遷もなかなか面白く、最近のものが一番メタボ!?(Todos los detalles del último cambio de imagen de Cruzcampo /http://www.brandemia.org/todos-los-detalles-del-ultimo-cambio-de-imagen-de-cruzcampoより引用)
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尚、クルスカンポは、2000年からハイネケンの傘下に入っており、この「コンパス・デル・カンテ」の授賞式もハイネケンの協力のもとにということになっています。


unnamed-3.jpg「コンパス・デル・カンテ」は、フラメンコ界の"ノーベル賞"と謳われており、フラメンコという芸術において、顕著な貢献のあった人に贈られます。これまでには、フォスフォリート( Fosforito),アントニオ・ガデス( Antonio Gades),パコ・デ・ルシア( Paco de Lucía),フェルナンダ・デ・ウトレラ( Fernanda de Utrera), マノロ・サンルーカル(Manolo Sanlúcar), クリスティーナ・オヨス(Cristina Hoyos),ファルーコ( Farruco)、マリオ・マジャ( Mario Maya),フアン・アビチュエラ( Juan Habichuela),エンリケ・モレンテ( Enrique Morente),レブリハーノ( El Lebrijano),カルメン・リナーレス( Carmen Linares),マヌエル( Manuel Morao)、 パケーラ・デ・ヘレス( la Paquera de Jerez)らの錚々たるメンバーがこの賞を手にしてきました。そして、ご覧のように、賞の名前には「カンテ」=歌とありますが、受賞アーティストを見ると、歌手、踊り手、ギタリストとジャンルに問わず選ばれています。

unnamed-4.jpg今年の「コンパス・デル・カンテ」の受賞者は、バイラオーラのマヌエラ・カラスコ(Manuela Carrasco)。DIOSA(ディオサ:女神)と称される、セビージャのバイラオーラ。そして、次世代を担うアーティストの中で、フラメンコの普及に貢献したアーティストに贈られる賞「ヌエボ・コンパス賞」には、カンタオールのランカピーノ・チコ(Alonso Núñez Fernández 'Rancapino Chico')が選ばれました。父親は、その名からも分かるように、名カンタオールのランカピーノ。


授賞式の目玉としては、豪華アーティスト達によるガラ公演。今年は初めて一般公開され、チケットは一週間前には完売となったようです。ギタリストのラファエル・リケーニ(Rafael Riqueni)とバイラオーラのアルバ・エレディア(Alba Heredia)らが舞台に上がり、マヌエラ・カラスコへのオマージュ公演を繰り広げました。もちろん、受賞者の二人も最後にチラリと登場。
客席には、ローレ・モントージャ( Lole Montoya), その娘さんで歌手のアルバ・モリーナ( Alba Molina),エル・ファルー( el Farru), グループが復活したKETAMAのメンバーであるアントニオ&ホセミ・カルモナ( Antonio y Josemi Carmona), ペペ・デ・ルシア(Pepe de Lucía)らも顔を連ね、濃厚なフラメンコな夜になったようです。
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来年も、ガラ公演が一般公開となるようでしたら、要チェックです!

写真/FOTO : Copyright to Fotografía: Román Ríos
記載内容及び写真の無断転載はご遠慮願います。Copyright Makiko Sakakura All Rights Reserved.

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坂倉まきこ(Makiko Sakakura) プロフィール

1994年から10年間ラテンアメリカで過ごす。そこでフラメンコと出会い、本場スペインに通い始める。数多くのアーティストの舞踊クラスに参加する一方、カンテ、ギター公演も見逃すことなく各地で鑑賞。日本へ帰国後、スペインでの経験を活かし、コーディネーターとしてスペイン人アーティスト招聘企画やフラメンコ通訳、翻訳、執筆などに携わる。現在も日本〜スペインの往復を続けながら、フラメンコの広報活動に従事。主な仕事にアルカンヘル来日公演の企画制作、NHK「黒木メイサ スペイン フラメンコ 魂の踊りと出会う旅」コ―ディネイタ―、DVD「アントニオ・ガデスその人生と舞踊の倫理」字幕作成等。スペインのフラメンコ誌Guia FLAMA 日本担当(www.guiaflama.com)、2012年ビエナル・デ・セビージャ:ヒラルディージョ賞審査員。

坂倉まきこへのお問い合わせはこちら

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    普段はスペインや海外でのフェスティバルを取材して、スペイン人アーティストのご紹介...
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