スペイン-日本を往復しながら、フラメンコの世界を闊歩する坂倉まきこが発信。

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スペインに来て「なんで日本人はフラメンコが好きなの?」と尋ねられたことのある方はたくさんいらっしゃると思います。この答えにはたった一つの正解はありませんし、いろいろな観点から答え方はありますが、「テレビで言ってたから...」と同じように、その答えが事実として一人歩きしてしまうこともあります。まずは、自分自身がなぜ好きなのか、せめてそれを簡潔に答えられるようにしておくという手もありますね。
4日間で既に10公演。それもそうそうたるアーティスト陣のパフォーマンスの連続で、ここ数ヶ月のフラメンコ不足が解消されつつあります。14年前からこのビエナルに通い始めて、毎回当たり前のようにシーズンを迎えていましたが、よく考えると一つの街で、一ヶ月間もフラメンコフェスティバルが開催されるというのは、なかなか他に例がないのではないでしょうか?それも同日に有料無料のイベントが複数必ずあるのです。
まだ夜とは言えない明るさのセビージャ、20時半。マエストランサ劇場でのビエナルの開幕公演「エンリケ・モレンテ:グラナダ、セビージャ、ニューヨーク...」は、20分間の休憩を挟んで夜中の0時半まで続きました。
いよいよ明日から2年に一度のセビージャのフラメンコフェスティバル「ラ・ビエナル・デ・フラメンコ(La Bienal de Flamenco以降ビエナルと書きます)」が始まります。今年は24日間で76公演が予定され、21の新作公演と2つの国内初演作品が含まれています。公式プログラム以外にも、オフ・ビエナルのイベントが盛りだくさん。セビージャは、いつもよりもさらに濃くフラメンコ色に染まっていきます。
4月から6月にかけて、スペイン・アンダルシア地方はお祭りが続きます。4月13日からセマナ・サンタ(Semana Santa。キリストの受難、死、そして復活を記念した典礼を行う聖週間)それが終わると各地で春祭り。フラメンコの踊りを習いはじめると、入門クラスでよく教えられる「セビジャーナス(Sevillanas)」という曲を踊るセビージャの春祭りは特に有名です。
スペイン語でmadurarという言葉があります。「熟す」という動詞。果実が熟したり、人間が成熟するときに使われます。スペインでは、幼少、それも3才や5才という歳でフラメンコを既に踊りだすことは珍しくありません。幼少期は覚えも早いのでテクニック的には「踊れる」状態になるのですが、そこから一流のアーティストになる人は、そこから先も常にmadurarし続けます。
2週間続いたここへレス・デ・ラ・フロンテーラでのフラメンコフェスティバル。昨夜、すべてのプログラムが終わり、今日は日曜日ということもあってか、昨日までは人が行き交っていた劇場周辺は、すっかり静まりかえっていました。期間中、134のイベントが開催され、約31100人の動員がありました。アーティストによるレッスンは43コース開催(踊り41、パルマ2)され、参加生徒は38ヶ国から延べ1060人。そのうち日本からの参加者は158人で15.93%を占め、2位のフランスの85人の倍近い数字でトップとなりました。
へレス・デ・ラ・フロンテーラでのフラメンコフェスティバル続報です。遺跡アルカサルの手前にある、パラシオ・ビジャビセンシオ(Palacio Villavicencio)は1664年に建設が始められたバロック様式の邸宅。その名の通り、ビジャビセンシオさんが住んでいたそうです。
今年のへレスはいまのところ快晴。気温は、晩はまだまだ冷え込みますが、アンダルシアらしい濃い青空が続いています。へレスと言えばフラメンコ!はもちろんですが、シェリー酒の産地としても有名です。日本でもおなじみのティオ・ペペなど、シェリー酒を作る酒蔵があちこちにあります。
昨年の歌舞伎座新開場から、歌舞伎鑑賞のよちよち歩きを始めました。初心者ならではの新鮮な発見をしている段階ですが、フラメンコとの共通点が結構あることにさらに興味をかき立てられています。たとえば音楽は、唄:カンテ、三味線:ギター、鳴り物:パルマやカホン。家系を中心にした役者の系譜のある歌舞伎に対して、ファミリアの血を重んじ、芸風を継いできたヒターノのアーティスト家系だったり。なんといっても一番共通しているのは、人から人へと芸を繋いできたことです。(FOTO:公演「Fatum!」より Festival de Jerez/Javier Fergo)