スペイン-日本を往復しながら、フラメンコの世界を闊歩する坂倉まきこが発信。

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セビージャのフラメンコフェスティバル、通称ビエナルの姉妹フェスティバル「Septiembre es Flamenco」の公演からご紹介しています。このフェスティバル、巷では「ビエナリータ」という愛称で呼ぶ人もいます。「ータ(ita)」「ート(ito)」というのはスペイン語で使う「縮小辞」のひとつ。南米では、特によく使われます。例えば、ビールなどを「ちょっと一杯」というのを「ウナ コピータ(Una copita)」などと言いますが、ウナは数字の1、コピータはコパ(copa)の縮小辞。サッカーの大会で、コパ・アメリカというのがありますね。あの"コパ"=カップという意味です。(右写真はロペ・デ・ベガ劇場の内部)
アンダルシア州セビージャ県セビージャで2年毎に開催される最大のフラメンコ・フェスティバルのラ・ビエナル・デ・フラメンコ、通称"ビエナル"。このフラメンコ・ウォーカーでも何度かご紹介してきました。今年は"ビエナル"はお休みの年なのですが、ビエナルの延長線上のフェスティバルとして"セプティエンブレ・エス・フラメンコ(Septiembre es Flamenco=9月はフラメンコ)"が企画されました。
前回はお薦めの若手歌手をご紹介しましたが、今回は大ベテラン、いぶし銀アーティスト達の公演をご紹介します。(左写真:カレテ・デ・マラガ)
フラメンコ・フェスティバルと名のつくイベントは、スペインだけでなく各国で催されてます。1〜3日程度の短いものから、1ヶ月に渡って続くものと期間も様々。その内容もスペインからのオファーで幾つかの公演を組み合わせたものもあれば、そのフェスティバル独特のチョイスで選んだ個性のある内容を打ち出すところもあります。7月にフランスのモン・デ・マルサンで行われるフェスティバルは、その後者。スペインには地理上近いということもあり、フェスティバルの監督は、しばしばスペインを訪れ、直接現地を視察してその内容を決めているようです。アンティグオ(古いもの)からもっと学ぶべきだと言われる今日この頃。今年は、若手とベテランを同じ日の舞台に立たせるという公演が企画されました。
お伝えしておりますフランスのモン・デ・マルサンのフェスティバルは今年で27年目と言う老舗的存在ですが、昨年始まり今年2歳を迎えるスペインのフェスティバルもあります。今年のヘレスのフェスティバルで活躍の目立ったカディス勢。その中でも、伝説のカンタオール、カマロン・デ・ラ・イスラの出身地、サン・フェルナンドの「ラ・イスラ・シウダ・フラメンカ」(第61回のウォーカーでも紹介しております。詳細、プログラムはこちら)カディス県のアーティストを中心に、マイテ・マルティン、アントニオ・カナーレス、ローレ・モントージャらのゲストも迎えて開催中です。
このフェスティバルで活躍が期待されているのが、地元サン・フェルナンドに住む若手カンタオール、ホアキン・デ・ソラ(Joaquín de Sola)。今日はちょっと意外な経歴のこのカンタオールを独占インタビューをまじえてご紹介します。
フラメンコの公演では、よくタイトルやテーマに「Homenaje(オメナへ=オマージュ)」という言葉が使われます。オメナへとは「敬意や尊敬を表す」こと。以前は、亡くなったアーティストへの追悼公演的なものが多かったのですが、最近ではオメナへの対象とされるアーティストが生きている間にやってこそ、本来の意味のオメナへ公演となると見直されています。フラメンコは生きた芸術。時代と共に変化していくことは否めません。そして、教本や楽譜がない芸術だけに、オリジナルを守り伝えることが難しいけれど非常に大切だということは、今までも何度かふれたかと思います。そのためにも、この現代、舞台に立つアーティスト達がフラメンコ芸術を築いたマエストロ達へのオメナへの気持ちを持ち続け、そのアルテ(芸術)を継承し、私たち観客にも伝えて続けてほしいものです。(写真:祖父ファルーコの姿を重ね合わせて踊るファルー。パストーラ・ガルバン公演より)
連日フラメンコで賑わうここモン・デ・マルサン。今こうして村の中心のホテルの部屋で原稿を書いているときにも、外からは生演奏のフラメンコが聴こえてきています。日本では、街のど真ん中、真昼間とあれば、騒音問題にされてしまいそうですね。
ワインで有名なフランスのボルドーからローカル列車で1時間半の場所にある村、モン・デ・マルサン。ここでは毎年7月にフラメンコ・フェスティバルが開催され、今年で27回目を迎えます。(写真:フェスティバル事務局は村の中心に建てられた仮設テント。ことしは「折り紙」をモチーフにしたデコレーションが随所に見られます。)
今年の秋には、スペインからの来日公演がたくさん予定されているようです。どれに行こうかと迷われている方も多いでしょうが、できるだけたくさん、お財布が許すなら、観ていただきたいですね。現地に出かけて観るというのも結構な出費ですし。しかし、秋まで待てないフラメンコ・ウォーカーは、今年もフラメンコがぎゅぎゅっと凝縮されているフェスティバルへと赴いて参ります。
前回はヘレスのフェスティバルで聴いたカンテ公演を中心に紹介しましたが、今回はバイレ(踊り)公演についていくつかピックアップします。作品名をクリックすると、ダイジェスト映像にリンクするようにしましたので、そちらも併せてお楽しみください。
フラメンコ公演をたくさん鑑賞していると、歌=カンテを聞く機会が当然多くなります。踊りには必ず伴唱でつきますし、カンテだけのコンサート、またギターのコンサートにもカンテが入ります。特に、フェスティバル取材に行っていたアンダルシアのヘレス・デ・ラ・フロンテーラは、カンテのゆりかごとも言われるほど、素晴らしい歌手を輩出している土地。それだけに、耳の肥えた聴衆の中で鍛えられたヘレスのカンタオール/カンタオーラの歌うフラメンコは、言葉を越えて心に響くものがあります。(上写真は、ダビ・カルピオ公演より。左からパブロ・マルティン、ダビ・カルピオ、マヌエル・バレンシア、マヌエル・リニャン)