スペイン情報満載!フラメンコ・ウォーカー

スペイン便り


連続してレポートしているフラメンコ・フェスティバルが開催されているへレス・デ・ラ・フロンテーラは、おなじみシェリー酒の産地。街の中にはシェリー酒のボデガ(酒蔵)がいくつもあります。日本でドライシェリーとしてよく飲まれているティオ・ペペ(TIO PEPE)も、もちろんここで製造されています。見学ツアーのできるボデガには最後に試飲できるおまけ付きが多いのですが、ティオ・ぺぺの製造元ゴンサレス・ビアス社の試飲する場所に数年ぶりに行ってみて、その変貌ぶりに驚きました。以前はアンダルシアのフェリアのカセタ(テント小屋)に似せた作りだったのが、ここはバルセロナ?と思うほどモダンに変身していました。
今年のフェスティバルは、ビジャマルタ劇場の経済的危機による存続問題の影響か、いろいろなところで経費削減がされています。以前はどこに行っても手に入ったプログラムはなくなり、劇場入館証の写真貼付も割愛。エコ的観点では節約できる部分にメスが入ったことは悪いことではないのですが、一つ残念なのは、ここへレスならではの、シェリー酒の振る舞いがなくなったこと。以前は、開幕初日には、劇場のホワイエでベネンシアドールが観客に一杯ずつ注いでくれていました。また、ゴンザレスビアスのボデガでのコンサートでも、入り口で同じようにシェリー酒の振る舞いがあり、先に席を確保するか、酒を確保するかの選択に迫られたものです。と、書いて劇場に出かけたら、思いが通じたのか、今夜はビジャマルタ劇場でシェリー酒の振る舞いをやっていました。
アンダルシアの青空は、雲が数なくて青々として気持ちの良いもの。しかし残念ながら、ここ数日、へレスの空は「白」。すっかり雲に覆われています。朝の短い時間、その雲のベールが途切れて、いつも青空がちらりと見えました。フェスティバル期間中のアーティストたちによる踊りなどのクラスもスタートし、生徒さんたちにとってはレッスンと公演観賞で忙しい日々が始まりました。
バレンタインデーは、スペイン語では「ディア・デ・サン・バレンティン(Día de San Valentín)」。聖バレンティンの日という意味で、別名「恋人たちの日(Día de los enamorados)」とも言われています。
2016年のセビージャのビエナルでのヒラルディージョ賞受賞アーティストの中から、イノベーション賞 の ファミ・アルカイ&ロシオ・マルケス(Fahmi Alqhai y Rocío Márquez。コンサート名は、"Diálogos de viejos y nuevos sones")、新人賞のカンタオーラ(歌手)マリア・テレモト( MARÍA TERREMOTO)、そして「カテドラル("Catedral")」で最優秀作品賞のパトリシア・ゲレーロ (Patricia Guerrero)の公演などをご紹介します。
2016年9月8日から10月2日まで25日間にわたって開催されたスペイン最大のフラメンコ・フェスティバル、第19回ラ・ビエナル・フラメンコが閉幕しました。プログラム発表後、オープニングを飾るはずの公演の中止、スペイン国立バレエ団の公演キャンセルによるプログラム変更。さらには、マラガのオーケストラを率いて大作を奏でる予定だったギタリスト、マノロ・サンルーカルの体調不良によるフェスティバル開幕後の公演キャンセルにより、大劇場マエストランサが一晩空くという異例の事態もありました。
日本が豪雨というニュースを聞いた翌日、晴れ続きのセビージャも午前中からお昼にかけてかなりの雨。アンダルシアには、もうかれこれ17年通っていますが、雨が降ると一気に人通りが少なくなるのは変わっていません。基本的にあまり傘をささない風土かな?と思います。そういえば、50度にも達する真夏の昼間に道歩いているのは観光客くらいで、夜涼しくなるとわさわさと地元の人たちが出てくるのが、田舎町だと特に顕著に見られます。
9月に入ったセビージャ。つい三日前までは、まさに「灼熱」の暑さでしたが、今日あたりから吹く風がほんのり秋めいてきました。
去る3月29日、2016年のヘレスのフェスティバルの公演作品の中から、批評家たちが選出する賞、Premio de la Críticaが発表されました。受賞したのはマヌエル・リニャン(Manuel Liñan)。作品「レベルシブレ(Reversible)」の公演を評価されました。公演についての記事はこちら。
「毎年フェスティバルに出演させてもらえると、アーティストにとっては、自分の軌跡を振り返るきっかけになる。観る側にとっても、"今"のアーティストを知ることができるいい機会。」と記者会見であるアーティストが言っていました。一流のアーティストとして第一線に残っている人たちは進化しています。それは「変化」とは違います。前と違ったこと、変わったことをするだけなのは「進化」ではないと思います。また技術の向上だけとも違うでしょう。いつも同じクオリティも提供できることも実力ですが、フラメンコは人生が反映されるもの。10年前と今とでは経験値も違うはずです。それをにじみ出してもいいところがフラメンコの良さのような気がします。