スペイン情報満載!フラメンコ・ウォーカー

スペイン便り


スペインでヒターノ(=ジブシー)というと、南部のアンダルシアのイメージが強いのですが、歴史的にヒターノがスペインに入ってきたのは、北からという説もあります。パンプローナで開催されたフラメンコフェスティバル「フラメンコ・オン・ファイヤー(Flamenco On Fire)」の運営メンバーであるリカルド・エルナンデス(Ricardo Hernández :ナバラ州のヒターノ連合のコーディネーター)によると、実際、北のバスク地方にもヒターノは住んでおり、その割合はスペイン全土のヒターノ人口率と同じ。つまり、北にはいないというわけでは無いのです。ただ地域によって、ヒターノと非ヒターノの"距離"はまちまちだそうです。つまり、ヘレスのようにほとんど混ざって暮らしているところもあれば、ヒターノ居住区がはっきり分かれていて、生活上もあまり接点がないなど。ナバラ州にも8,000人ものヒターノが在住しているそうで、今回のフェスティバルにも観客として来場して、特にヒターノのアーティストの公演には多く集まり、独特のハレオ(掛け声)をかけていました。
パンプローナは、フラメンコギタリストのサビーカス(Sabicas)の出身地ということもあり、この地で開催されるフラメンコ・フェスティバル「フラメンコ・オン・ファイヤー」ではギターはとても重要視されています。グラナダのギタリスト、ペペ・アビチュエラ(Pepe Habichuela)は開催以来、ギター大使的な役割で、常にこのフェスティバルの中心にいて、皆を温かく見守ってくれています。大御所なのに気さくで、バルコニーからの演奏にも応じ、地元の人との繋がりも以前にも増して強くなっています。(写真は、バルコニーでの演奏風景。ペペと息子のホセミ・カルモナ)
連続してレポートしているフラメンコ・フェスティバルが開催されているへレス・デ・ラ・フロンテーラは、おなじみシェリー酒の産地。街の中にはシェリー酒のボデガ(酒蔵)がいくつもあります。日本でドライシェリーとしてよく飲まれているティオ・ペペ(TIO PEPE)も、もちろんここで製造されています。見学ツアーのできるボデガには最後に試飲できるおまけ付きが多いのですが、ティオ・ぺぺの製造元ゴンサレス・ビアス社の試飲する場所に数年ぶりに行ってみて、その変貌ぶりに驚きました。以前はアンダルシアのフェリアのカセタ(テント小屋)に似せた作りだったのが、ここはバルセロナ?と思うほどモダンに変身していました。
今年のフェスティバルは、ビジャマルタ劇場の経済的危機による存続問題の影響か、いろいろなところで経費削減がされています。以前はどこに行っても手に入ったプログラムはなくなり、劇場入館証の写真貼付も割愛。エコ的観点では節約できる部分にメスが入ったことは悪いことではないのですが、一つ残念なのは、ここへレスならではの、シェリー酒の振る舞いがなくなったこと。以前は、開幕初日には、劇場のホワイエでベネンシアドールが観客に一杯ずつ注いでくれていました。また、ゴンザレスビアスのボデガでのコンサートでも、入り口で同じようにシェリー酒の振る舞いがあり、先に席を確保するか、酒を確保するかの選択に迫られたものです。と、書いて劇場に出かけたら、思いが通じたのか、今夜はビジャマルタ劇場でシェリー酒の振る舞いをやっていました。
アンダルシアの青空は、雲が数なくて青々として気持ちの良いもの。しかし残念ながら、ここ数日、へレスの空は「白」。すっかり雲に覆われています。朝の短い時間、その雲のベールが途切れて、いつも青空がちらりと見えました。フェスティバル期間中のアーティストたちによる踊りなどのクラスもスタートし、生徒さんたちにとってはレッスンと公演観賞で忙しい日々が始まりました。
バレンタインデーは、スペイン語では「ディア・デ・サン・バレンティン(Día de San Valentín)」。聖バレンティンの日という意味で、別名「恋人たちの日(Día de los enamorados)」とも言われています。
2016年のセビージャのビエナルでのヒラルディージョ賞受賞アーティストの中から、イノベーション賞 の ファミ・アルカイ&ロシオ・マルケス(Fahmi Alqhai y Rocío Márquez。コンサート名は、"Diálogos de viejos y nuevos sones")、新人賞のカンタオーラ(歌手)マリア・テレモト( MARÍA TERREMOTO)、そして「カテドラル("Catedral")」で最優秀作品賞のパトリシア・ゲレーロ (Patricia Guerrero)の公演などをご紹介します。
2016年9月8日から10月2日まで25日間にわたって開催されたスペイン最大のフラメンコ・フェスティバル、第19回ラ・ビエナル・フラメンコが閉幕しました。プログラム発表後、オープニングを飾るはずの公演の中止、スペイン国立バレエ団の公演キャンセルによるプログラム変更。さらには、マラガのオーケストラを率いて大作を奏でる予定だったギタリスト、マノロ・サンルーカルの体調不良によるフェスティバル開幕後の公演キャンセルにより、大劇場マエストランサが一晩空くという異例の事態もありました。
日本が豪雨というニュースを聞いた翌日、晴れ続きのセビージャも午前中からお昼にかけてかなりの雨。アンダルシアには、もうかれこれ17年通っていますが、雨が降ると一気に人通りが少なくなるのは変わっていません。基本的にあまり傘をささない風土かな?と思います。そういえば、50度にも達する真夏の昼間に道歩いているのは観光客くらいで、夜涼しくなるとわさわさと地元の人たちが出てくるのが、田舎町だと特に顕著に見られます。
9月に入ったセビージャ。つい三日前までは、まさに「灼熱」の暑さでしたが、今日あたりから吹く風がほんのり秋めいてきました。