大沼由紀のバラよ、荒野に咲け!

バイレとカンテ

音と音の間に隙間があると、速い細かい音でも慌ただしく感じない。
ゆっくりとしたテンポでのシンプルな音使いでも鈍重に聞こえない。
バイレフラメンコというものに夢中になって早30年。
この年月の中で今最もサパテアードの音に憑りつかれている。

カンテを聞け、と踊り手はよく言われるが、それはいったいどういう意味なのだろう? 単に「カンテをちゃんと聞いて踊る」、あるいは「踊るための勉強としてカンテを聞く」、ということではないような気がする。カンテを聞けとは、何よりも、まずは常日頃カンテを聞け、だと思う。カンテを聞くことで、フラメンコの美学、こだわりなどが、自然に身体に入ってくるのだと思う。カンテを好きでよく聞いている人と、そうでない人の踊りは、やっぱりどこか違う。