2021年フェスティバル・デ ・ヘレスの開催延期のお知らせ/APLAZAMIENTO DEL FESTIVAL DE JEREZ

全世界的な広がりで、生活様式にも大きな影響と変化をもたらしている新型コロナウィルス。スペインで緊急事態宣言が出されたのは3月14日。以降、あっという間に感染者が急増。スペイン 国内の死者数も、欧州ではイタリア、イギリス、フランスについで現時点で4万7千人を超えています。

スペインで国内感染者第一号が発表されたのは2月1日のカナリア諸島在住のドイツ人。香港でダイヤモンドプリンセス号から下船した乗客の感染が判明したのと同じ日。その後、日本ではダイヤモンドプリンセス号の横浜寄港、中国人観光客の観光絡みでの感染などが次々とニュースになっていました。私がスペインに着いたのは2月16日。スペインでもダイヤモンドプリンセス号のニュースは大きく取り上げられていて、中国由来のウイルスということで、アジア人に対しては警戒心を持っている印象を受けました。観光客でも賑わうマドリード中心部の広場もいつもより人出は少なく、首都マドリードでは既に変化は起きていました。
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その後、アンダルシアに行くと一見楽観的ではありましたが、薬局に入るとこちらから尋ねる前から「マスクなら売り切れよ。消毒液も。」と。周りにはマスクをしている人は全く見かけないのに、備蓄は始まっていたのです。(上写真は、ヘレスで準備されていたセマナサンタの観覧席。3月の初めの時点では開催される予定で、山車の練習も行われていた。この後、中止が決定し、撤去されることに。)

2月24日には、カナリア諸島のテネリフェで、イタリア人旅行者の感染発覚。感染者の居場所も公開され、滞在していたホテルの従業員のPCR検査が行われたこともすぐに報道されました。その後、次々とイタリアがらみの感染者が確認されたことを受け、3月に入り早々にスペイン-イタリア直行便のフライトを停止。また、日本では報じられていませんが、緊急事態宣言が出される前から、テレワークへの移行、外出自粛、学校の休校、そして積極的なPCR検査がなされました。デパートや空港の免税店でも、化粧品などは見本品に手を触れないようビニールシートをかけたり、陳列をやめたりと、日本よりも早く対策を始めていました。タブラオ出演のためにマドリードに来ていたフラメンコアーティストも、首都ロックダウンの噂の段階で、そうなる前にと仕事よりも自分の家へと帰ることを選んでいました。しかし、感染が拡大しやすい風土、生活習慣のせいか、あっという間に多くの感染者と死者を出す結果となってしまいました。

IMG_5881.jpg当然ながら、フラメンコ界も大きな打撃を受けました。3月14日の緊急事態宣言の直前からマドリード市内のタブラオも次々に休業。その後も営業再開は難しく、そのまま閉店に至った場所もあります。11月末あたりから週末だけの営業を開始したところもあるようですが、まだ不安定な状況は続いています。(写真は、緊急事態宣言前のタブラオ「コラル・デ ・ラ・モレリア」。テーブル数を半分以下に減らし、間隔を開けていた。)

毎年恒例のフラメンコフェスティバルのうち、Flamenco On Fireやビエナルは開催されたものの、規模を縮小したり、配信を取り入れたり。オンラインを活用したレッスンや、小規模でも公演は徐々に復活しています。しかし、冬になり再びの感染拡大。それを受けてか、先週末には、毎年2月に開催されていたヘレスのフラメンコフェスティバルの開催延期が発表されました。

発表された新日程は、2021年5月6日?22日。毎年、世界40か国からレッスン生や観客の集まるこのフェスティバル。公演が観られるだけでなく、多くの地元アーティストや各国から集まってくるフラメンコファン、レッスン生の方々と交流ができる貴重な二週間です。人と人との距離も日本とは比べ物にならないほど近く、それが良い面もある一方、思い起こせばインフルエンザが大流行したこともありました。そのことを考えると、現時点での延期の判断は妥当でしょうし、今後の状況によっては開催自体を再検討するということもあるかもしれません。

多くのアーティストも公演の機会を待ち望んでいると思いますが、まだ海外からの入国制限の解除や安全性についての見通しは立たない状況です。しかし、この状況だからこそできることもあるはず。新しい楽しみ方や学び方を見つけながら、いつかまた、スペインに行ける日を、そして、安心してフラメンコを楽しめるフェスティバルが再開される日を楽しみに待ちしましょう!

(今年のヘレスのフェスティバルのレポートの残りの公演分は、フェスティバル終了後にまとめて執筆する予定でした。帰国直前にほぼ書き上がっていた記事が一本ありますが、かなり以前の話題となってしまったため、別サイトの方に掲載します。ご興味のある方はご覧ください。)

写真: MAKIKO SAKAKURA
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