「伝統的クアドロフラメンコ実践講座」-新規開講に寄せて-

皆さん、講座再開のお知らせです!

昨年に引き続き今年もフラメンコシティオ主催「シティオ塾」でクアドロフラメンコ実践講座を開講する運びとなりました。「伝統的」と銘打って、私のスペインでの体験を活かして意欲的に取り組んだ昨年の講座は、お陰様で無事終了し、華やかにタブラオライブも実現することができました。参加者の皆さんには、何か成果のある、そして楽しく充実した講座であったのなら嬉しく思います。実は「シティオ塾」再開に向けて、昨年の反省も踏まえ、新たな覚悟と希望を持っています。えっ、覚悟、希望?そうです、それはレッスンの時などにお話しする機会もあるかと思いますが、取り急ぎ、今回の講座についてお伝えしたいことがあります。

新規開講です。ではどこが違うの?

昨年は2ヶ月の集中講座+ライブということで強硬スケジュールでしたが、今回はじっくり講座内容を消化できるように2つのクラスにコース分けし、両コースを受講する(総合コース)と、1回2時間半たっぷり勉強できるという嬉しいレッスン体系になっています。ご自分の興味によって、どちらかのコースだけを受講することも可能です。もちろん、講座の最後には発表ライブも企画しています。
では、その2つのコースについてちょっとご説明いたします。

伴奏バルマ+バイレコースは、クアドロの一員として舞台に出る時の心構えや、実際的に要求される技術的な問題をクリアーしていくことを授業内容として取り上げます。クアドロの仲間を応援するハレオの掛け方やパルマの練習など、また、自分が踊るソロの曲以外に踊り手として知っておきたいレパートリーなど総合的にアドバイスしていくことを目的としています。単発参加ができる前半4回のクラスでは、よく踊られる基本的な曲を取り上げて伴奏パルマや基本的な振付例をもとに練習していきます。「おさらい」での伴奏パルマは、実際にクラス参加者の皆さんに自分の踊りの一部分を踊っていただいて、どのように踊りを盛り上げていくか考えたり、バイレコーナーでは基本の踊りの応用ということで、別のパターンの練習などライブに合わせての内容になって行きます。

ハレオ歌コースは、ハレオ歌が好きなアフィシオナードや研究生全般を対象にしていますので、踊り手さんでなくても参加できます。誰でも楽しめるよう、取り上げる曲などは古いものから近年ヒットしたものなどバラエティに富んだ内容で行きたいと思っています。
コンパスをしっかりつかみ、感じられるよう、丁寧に慌てない進行で確実に勉強していきます。クアドロでのハレオ歌は雰囲気を盛り上げるために大切な要素です。ハレオ歌コースで勉強したことを、本番ではいったいどんな風に実践できるのか、「おさらい」ではそんなアドバイスと、一つの演出例を練習することになります。

なぜ、「伝統的」と銘打っているのか?

curro6.png実際に往年のクアドロフラメンコを見ることはできなくても、そのノウハウを勉強すること、例えば、ショー作りの基本的要素とは何かとか、お客さまにアピールし、喜んでもらえるショー作りの基本とは何かとかは、フラメンコを実践していくために必要なカリクラムである!
そんな風に考えて、積極的なアプローチをしたいと思ったからです。

(左の写真はグラナダで経験したクアドロ。1985年頃)

大切なのは、往年のクアドロフラメンコには観る人との熱い触れ合いがあったということです。そんな触れ合いをライブで感じてもらえたら......という期待もあって、この講座を「伝統的クアドロフラメンコ」と名付けており、レッスンではいつでもその永遠の精神を勉強していきます。
ただ、その内容についてですが、例えばハレオ歌やフィン・デ・フィエスタの選曲、また、例えばショーを構成する、演出する踊りの振付などはその時、その時代で変わって行くのは自然なことだと思います。ですから、上記の「ハレオ歌コースで勉強できること」で申し上げましたように、昔からのクアドロの精神を尊重し、古いものを勉強するだけでなく、近年流行した曲や、踊りでは比較的新しいセンスやアイレなども、それぞれうまく取り交ぜた授業内容にして行きたい、と考えています。

ここで、ちょっとここで触れたいことがあります。

スペインにはフラメンコではないスペインの歌が勿論のこといっぱいあるのですが、面白いのは、フラメンコの世界では、フラメンコでないポピュラーなどをフラメンコ風にして歌ってしまうような芸当もあったりすることです。私はこの講座の為に昔スペインに行く前に習ったハレオ歌の元歌はいったい何なのかを調べていて、もとになったルンバに、その時期ヒットした曲のいいところをくっ付けてフラメンコ風にしてあったという、そういう発見をしまして、とても愉快な気分になりました。これだから止められないフラメンコなのであります。このようにハレオ歌にはその時のアーティスト達のフラメンコ性が反映されると思います。同じ歌でも歌詞を替えたり、メロディもちょっと変えたり、パルマ、演出などにもよって面白くなったり、普通だったり、つまらなかったり......勿論即興的になったりもあります。

そういうふうに時のスペインの流行歌があるように、フラメンコでもヒット曲が出ると一斉にあちこちで皆が歌いだします。流行ります。人気アーティストのヒット曲などはクアドロでよく歌われました。とにかく全体的にみてよく歌われていたのがカマロンですが、70、80年代はルンバ、タンゴ、ブレリアなどが専門の実に沢山のフェステーロス、ルンベーロスやルンバグループなどがたくさん活躍していたのでして、今より一時代前の方がフラメンコの流行歌多かったのでは?? と、私なんかには思えてしまうくらいです。ちょっと話がそれましたが、皆さん、ディエゴ・カラスコのことはご存知だと思います。ディエゴはほんとに楽しい!今回もディエゴの一節二節やってみましょう!

ちょっと欲張り?今回のレッスンは、それだけではありません!

zambomba.pngこの講座のメリットは、スペインの伝統文化に直結していることです。フラメンコがスペインで生まれて育まれたものなら、そこにスペイン文化の影響があるのは当然です。スペインはカトリック王国です。ですから、大半の人々はカトリックの宗教行事にならって生きています。そういうカトリックの宗教行事、お祭りの一つがクリスマスです。そして、それを無視してフラメンコの勉強はできません。と言うより、無視できないほどフラメンコに繋がっているのです。そのクリスマスNAVIDADに歌うクリスマスソング、それをビジャンシーコVILLANCICOと呼んでいるのはご存知の方も多いと思います。このビジャンシーコをクリスマスの期間中は何かにつけて歌うのがスペイン人の習慣であり、楽しみなのです。

クリスマスが最高潮になるのは何といっても24日のクリスマスイブNOCHE BUENAです。この日ばかりは家族が全員集合していっしょにお食事、ごちそうです!そしてその後はフィエスタ、ビジャンシーコで盛り上がるのです!しかも、ビジャンシーコにはギターより、他の楽器が活躍するのです。「サンボンバ」ってどこかで聞いたことありませんか? La Zambombaクリスマス楽器です。(写真)ヘレスではこの楽器の名前が、クリスマスのフィエスタを意味します。他にパンデレタPandereta (タンバリン)もクリスマスの楽器として活躍しますが、例えばアニス(甘いクリスマスに飲むお酒)の空き瓶やコップなども楽器に変身してしまうのです! なんだかそんなスペイン人の楽しみを共有したくなりませんか?ですから、今回、ハレオ歌ではビジャンシーコも勉強します。
しかも、私の第2の故郷、グラナダで歌われている楽しいビジャンシーコを今回の講座で勉強できるのです!なんだかワクワクして来ませんか?

zambomba2.pngさらに、今回の発表ライブ「オレ・コノレ」Ole con Oleは、クリスマスイブの前日、12月23日に企画しているのです!

わ~~~~なんだか私もちょっと興奮して来ました。ビジャンシーコも歌ってクリスマスライブ、楽しそうじゃありませんか!今年の忘年会は決まり、思いっきりフラメンカに行きたいですね。
「シティオ塾」で待っています!

詳細とお申込みはこちら

→昨年の講座開催にあたって、このブログに詳しい説明など書いていますので、読んでない方は是非ご一読ください。
●シティオ塾で待ってます!講座開講に寄せて①→こちら
●豊かなフラメンコの世界へ!講座開講に寄せて②→こちら
●発表ライブ「Ole con Ole」に向かって!→こちら

高橋英子ホームページ「みっつのザクロ」

3つの壁の乗り越え方

【フラメンコに行き詰まりを感じている方へ】

フラメンコ(カンテ/踊り/ギター/他)が難しい...
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