高橋英子のスペイン、グラナダ、きもったま

その他


映画「サクロモンテの丘」公開記念イベント体験レポート② 


エル・ペタコでレマーテ!レクチャー&フラメンコ体験レッスン(シードル試飲付き)2/22

petaco6.png渋谷のアップリンクで開催されたこの企画は面白いと思いました。シードルが飲めるっていうのがいいですね!告知がかなり直前だったのがちょっと残念でしたが、駆け付けた皆さんは満足げにお帰りになられたようでホッとしました。
最初に映画に関連したサクロモンテのお話などをしましたが、まじめなお話は苦手な私です。突然の思い付きで、「今日はペタコを踊りましょう!」などと予告してしまったのでした。体験レッスンは誰でもできるフラメンコ入門講座みたいなものでしたが、一応パルマや唄でタンゴのリズムをつかんでいただき、ブラッソ、サパテアード、表現のコツなど色々なテクニックを短時間でざっとやりましてほぼ完璧なレッスン!皆さん積極的に動いてくださるのでビックリしました。全然恥ずかしがらないのです。こちらもやりがいがあり、楽しい時間を過ごしました。

petaco7.png実はこのような体験講習会は以前も何回かやったことがありますけど、こういう事って私に向いているように思いました。嫌いじゃないです。
フラメンコショーで踊る時のように一方的ではなく、皆さんの反応を見ながらやって行くので集中し、時々スリルがあります。とにかく分ってもらいたい、愉しんでもらいたいのでこちらも必死になったりしますが、そういう時の瞬間的に出るアドリブが功を奏したりすることが多いです。
まぁ逆のケースもありますが、とにかくフィナーレは最初に予告した、映画でクキおばさんやクーロさんが踊っている「エル・ペタコ」を歌って踊って、皆さんにお腹ポコポコ揺らしてもらって盛り上がりました! 

ちょっとどんな様子だったかお伝えしますね。
petaco15.pngpetaco12.pngレクチャーということで、ちょっと緊張気味ではありましたが、ざっとグラナダの歴史的な事を混ぜてサクロモンテのフラメンコ、アーティストのことなど思いつくままつらつらと。皆さん、静かに聴いてくださっていましたが、話がリズムのことになると実際動いてみなくちゃ!ということで、さぁ、レッスン!
petaco8.pngpetaco9.png先ずは姿勢やブラッソ、手の動きなどいろいろ教えちゃいました!殆どの方が全く初体験と思いきや、中にはすんなりやってしまう方もいまして、思わず「よくおできになりますわね、やってらっしゃるの?」そして、ちょっと一段階上のアドバイスが出たりもしましたよ!

petaco11.pngpetaco1.pngLos gitanos son primores~タンゴ歌を歌いながらマルカールなど。

petaco18.pngpetaco17.png時々みんなの様子を見て、ちゃんとできてるかなぁ~ あれ?サパテアード忘れていました!この後ちょっとタカタカタッと。そして簡単なタンゴの振付ができました!

petaco14.pngpetaco10.pngさぁ、声あげましょう!パルマ叩いてハレオの練習、アルサ・イ・トマ! アラー!いや~しかし皆さん、大声でますね、いい調子!
(因みにハレオの練習はシティオ塾の「伝統的スタイルのクアドロ実践講座」でもやりますよ!)

petaco19.pngpetaco4.png最後に全部通しておさらい、マフラーを振り回してフィナーレ。男の方は上着の裾をパラパラ動かしてみては?と提案、ウケました!

petaco3.pngさて、最後は約束のペタコ! ちょっとくだけた気分。お腹はなかなかうまく持ち上がりませんで。。。やっぱりこんな楽しいタンゴを生み出したサクロモンテは一種独特です。サクロモンテ、そこの人々にはいろいろ勉強させてもらったけど、彼らのグラシアって時々たまらなく愛おしくなります。
終わった後は「フー!」ひと汗かいてやれやれって感じでしたが、こうして1時間のレクチャー&体験レッスンはあっという間に終わりました。でも充実した1時間、私も十分楽しませていただきました。またの機会を期待しちゃいます!
アッ、それはそうとシードルを飲み忘れていました!帰りがけに1本おねだりして、お土産付きの帰宅。後日冷して飲んだら実にエキゾチックな味がしました。ありがとうございました!


映画「サクロモンテの丘」公開記念イベント体験レポート①


cine.png皆さん!「サクロモンテの丘」東京近辺の方はもうご覧になった方も多いと思いますが、いかがでしたでしょうか?

アンダルシアのプエブロ(村)にそれぞれの素朴なフラメンコがあってそれは興味深い世界なのでありますが、そんな風にサクロモンテも1つの村と考えると、日本ではあまり知られていないサクロモンテのかなり土着的なフラメンコの世界がこの映画で観ることができますよね。
登場人物は日本ではあまり知られていないアーティストが殆んどだと思います。アーティストというより芸人さんと言った方が私には近いイメージですが、中にはアルテ、フラメンコ特有の芸術性を持っている方も多い。彼らがこの映画で紹介されて、皆さんは「へぇ~、こんな人達がいるんだ」という感じで興味深々観ているのではないかな、そんな風に想像しています。

私はわたしで彼らとは長い付き合いですし、遠く離れた日本の、しかも映画館の大きなスクリーンで彼らの演技をあらためて観るとちょっと感慨深いものがあります。この映画とはまた別のスクリーンが目の前にチラつき始めます。ああ!全くあと10年早くこういう映画ができていたらなぁ~、今は亡きアーティストさん達が目の前に浮かんできて寂しい限りです。実は登場人物の中の3人は撮影後に他界していらっしゃいますので、これはとても残念なことです。でも少なくとも、この映画に彼らの貴重な演技、お話しが遺され、今こうして日本で見られることになるなんて嬉しいことですね。

ご覧になった一般の方には、それなりに良かったけれどやはりそれがそれだけで終わってしまう、というような温度差がある...などと頷けるような感想もありますが、フラメンコをやっている方々、ファンの方々には現代の洗練されたフラメンコとは違う古の雰囲気みたいなもの、豊富なタンゴ歌などに感動し、良かった!と喜んでくださっている方が多いようです。両者共通して、あのあからさまな会話の世界にはビックリしたようです。
とはいっても、一回見ただけではよくわからないということで、もう一度じっくり観たいという方が多いようです。東京、千葉で封切られて2週間が過ぎ、スバル座の上映は終了しましたが渋谷のアップリンクで4月上旬ぐらいまでは上映するようです。もう一度ご覧になりたい方は是非どうぞ。地方では順次公開されていきます。

とにもかくにも日本フラメンコ界に旋風を巻き起こした「サクロモンテの丘」、私もこの映画の公開に協力させていただけて嬉しく思っています。私を信頼してくださったアップリンク、ピカフイルムさんには感謝しています。東京での公開記念イベントに出演させていただきまして、映画館の公開イベントで踊るなんて初めてですのでステキな思い出になりました。それでは盛況だった公開イベント、私の体験レポートをお届します。

有楽町スバル座18日(初日)

chus dia18.jpg公開に当たり、この映画の監督チュス・グティエレスさんが来日しました。彼女はグラナダ生まれですが8歳ぐらいの時には家族そろってマドリッドに移住しました。彼女がフィエスタで知り合ったこの映画の案内役、クーロ・アルバイシンに惚れこみ、グラナダに行くところからこの映画は始まりますね。初日イベントは彼女のご挨拶で始まりました。チュスさんは赤いセーターに黒のパンタロンというラフなスタイルで登場。とにかく今作らないと生き証人がいなくなってしまう、サクロモンテの歴史も文化も、特にサクロモンテの失われた音楽舞踊芸術「サンブラ」の黄金時代を知る、語れる世代のアーティストが日に日に減って行くなかで、大変だったけどこの映画を作れてよかったと語っていらっしゃいました。

evento18.pngさて私の出番となりました。初日ということで「グラナダを踊ろう!」ということに決めていましたが、一般のお客さんも多いということで、カスタネットでファンダンゴ・デ・アルバイシン、タンゴの初めにはタンバリンをちょっと叩いて雰囲気作りに専念。なんとか初日らしい典型的なグラナダを味わっていただけたのではないかと思います。ですが映画館のスクリーン前の奥行90㎝ぐらいの細長い舞台でしたのでとっても怖かったですね、転落は免れましたが(笑い)。最前列でご覧になっていたチュス監督もあの狭いところでよく踊った、グラナダ色豊かな踊りで楽しかったとニコニコ顔、わざわざ舞台に上がりマイクで「2倍にOLEオレ!だ」と褒めてくださったのにはちょっとビックリしましたが、同郷のよしみでしょうか、私にとっては嬉しいこと、ホッとしました。


有楽町スバル座26日

kojima1.png19日にもチュス監督のご挨拶とフラメンコショーがありましたが、第2週目のこの日は小島章司先生をお招きしてお話しを伺い、その後は私と他2人のバイラオーラ(浅見純子さん、正路あすかさん)によるフラメンコショーという内容でした。満員御礼で、会場に入れない方も続出したそうです。やはり沢山のアーティストが出る方が見る人は楽しいでしょう。小島先生はその夜ヘレスに出発なさるというお忙しい中を駆けつけてくださり、ステキなイベントになりました。終始穏やかな口調でスペインに修業に行かれた時のお話しなども交えたご挨拶をしてくださいましたが、小島先生は国の文化功労者にも選ばれています。その名に恥じないオーラがありますね。

kojima2.png今から50年ぐらい前に「一人前になるまでは帰らない」覚悟でシベリア鉄道に乗ってスペインに修業に行かれたという先生、物凄い努力家でもいらっしゃいます。私はスペインに行く前の約4年間小島先生にお世話になっております。そして同じようにスペインで修業した訳ですが、自分のした「努力」なんて先生と比べるのもおこがましいという感じです。
お話の後はお席に座られて「さぁ観戦!」という構え?になられたので私としてはちょっと緊張しましたが、すぐに平常心を取り戻し和やかな気分、華やかなフラメンコショーも無事終わり、盛況のうちにスバル座のイベントは終了しました。(つづく)



映画「サクロモンテの丘」いよいよ(2/18)封切です!


皆さん、昨年12月からの試写会で日本のフラメンコファン、アーティストの間で評判の映画「サクロモンテの丘」が今週末にいよいよ一般公開されます。楽しみですね!なにせ私の第2の故郷なんですから、黙っている訳にはいきませんで筆を取りました。配給元アップリンクのこの映画のホームページにフラメンコアーティストや芸能人から寄せられたコメントが掲載されています。読んでみるとうなづけることばかり、ステキなコメントがいっぱいです。グラナダのサクロモンテ地区、下の写真はサクロモンテ遠景、外から見るとサクロモンテには何か特殊な人々が住んでいるような印象があるかもしれませんね? サクロモンテ族とでもいうような。。。
Sacromonte gaikann.png

グラナダの人々は、復活祭(セマナ・サンタ)でロマ(ヒターノ)の行列のある日や、グラナダの守護神サン・セシリオの巡礼祭などのある時はサクロモンテに登る習慣がありますが、一般的にヒターノを良く思わない人が多いので、ヒターノが多く住むサクロモンテに好んで足を向ける人は多くありません。私も、普段は物騒だからあまり行かない方がいい、などとグラナダ人によく言われました。しかしそれは作られた妄想で実際とは異なります。以前はサクロモンテを特別視し、そこに住む人達を敬遠する傾向が強く、中にはわざわざサクロモンテに行って悪さをしたり、サクロモンテでちょっとあった喧嘩騒ぎを大袈裟に取り上げて誇大悪評を掲げたりなどの悲しい現実もありました。

curro cuqui.jpgもともとサクロモンテに住む人達はロマ人、ロマ人でない人達も含めて皆心温かい素朴な人達でした。この映画ではサクロモンテ族といえる人たちの肉声、彼らの生い立ちや、生き方、そしてプライベートな事まで楽しいエピソードも交えて大らかに語る姿を見ることができます。そういう彼らの言葉に勝るものはありません。「サクロモンテの丘」と題されてはいますが、この映画の本タイトルはLOS SABIOS DE LA TRIBU ロス・サビオス・デ・ラ・トゥリブといいます。小島章司先生が、「部族の賢者たち」と訳して彼らのことを語っていらっしゃいますが、彼らの生き様には学ぶところがあると思います。サクロモンテ出身のアーティスト、芸人だった人達の普段の姿を通して、彼らの半生や日常の姿を垣間見ることができるのは日本の皆さんにとってとても興味深いことではないでしょうか。彼らなりのユーモア、愛嬌のある世界がありますよね。そしてこの映画では、同時に彼らや現在サクロモンテと縁のあるアーティスト達の演技も見ることができるのでフラメンコファンには嬉しいことだと思います。

niña sacromonte.pngさて、私はグラナダ在住33年であります。私がグラナダに住み始めたのは、この映画でも取り上げているサクロモンテの大洪水で、サクロモンテが壊滅状態となってから20年近くの年月が経っていた頃でした。あの頃のサクロモンテメイン通り(カミーノ・デル・モンテ)には、確か洞窟フラメンコショーをやっていたクエバ(洞窟)は4つぐらい、ディスコが1つ、レストランが1つ、小さなクエバのバルが数ヶ所にあったくらいだったと思います。クエバにはすぐ隣のアルバイシン地区や、洪水後に移り住んだ地区から芸人さん達がサクロモンテに通ってきていました。まだ復興が充分でなく、ちょっと寂しいとも言えましたが、今より沢山のアーティストファミリーがサクロモンテに住んでいまして、それなりの雰囲気が少し残っていました。そんなサクロモンテで小さなクエバを借り、私は練習に通っていたのです。わたしと「サクロモンテ族」との出会いの経緯は映画のパンフレットにも書きましたので是非お読みくださいね。

eventofolleto.png私にとってはグラナダ=サクロモンテと言えるくらい、フラメンコ修業でサクロモンテから受けた影響は大きいですし、「サクロモンテ族」とは長い長い付き合いになるのです。私にとってこの映画はノスタルジーの塊という訳です。ですから、「サクロモンテの丘」が公開されるにあたり、皆さまに日本では知られていないサクロモンテ族アーティスト達の貴重な映像とグラナダの古のフラメンコの、その一片でも見ていただけるのは嬉しいことであります。

さて、2月18日、19日、26日にスバル座で公開イベントがあります。18日公開初日にはチュス・グティエレス監督の挨拶と、私のライブパフィーマンス(グラナダを踊る)があります。
今週末は有楽町で逢いましょう!

さらに、ロードショー期間中プレゼントキャンペーンとか試飲イベントなど色々楽しい企画もあり、なんだか盛り上がって来ています!皆さん是非、有楽町スバル座、アップリンク渋谷に足をお運びくださいね!