高橋英子のスペイン、グラナダ、きもったま

わたしにできること


さて、タイムマシンに乗る前に、今のわたしについて少しばかりお話ししたいです。

今年の幕開けから1ヵ月をスペインで過ごしました。
今年も『きもったま鍋』を開催することになり、その準備やなんやかやで、
せっかくスペインに行っているのに、ちょっぴりスペインを味わっただけでした。

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限られた日程でスペインに行き、バタバタと用事を済ませて日本に帰る......。
この10年ぐらいは、そんな慌ただしい、行ったり来たりの生活が続いています。

昔はスペインで生活していましたが、いつの日からか日本でクルシージョを始め、
今では常設クラスをもっています。ですからスペインにいられるのは1,2ヶ月です。
それで日本に居ることが多いのですが、スペインには時々戻っていますから、
スペインへ旅立って以来のスペインとの関わり合いは、わたしの中で、今も続いているのです。

スペインと言ってもわたしの場合は、旅立って3年後に定着した土地、グラナダのことです。
よく、エル・エンブルホ・デ・グラナダEl embrujo de Granada (グラナダの魔力、魅力) と言われます。
グラナダは、まさにそう表現するに値する自然と街並み、歴史......そして音楽があります。 
ここでわたしは腰を据えて生活し、スペイン人に混じって活動してきました。
日本に帰り始めてからスペインでの活動はほぼ中断していますが、
止めているわけではありません。ペーニャや市営劇場のプログラムで踊ってきました。

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スペインに定期的に帰っているのは、本場のフラメンコ界の様子が気になりますし、
アーティストの活躍も見ていたいし、私の活動面でもまだ小さな夢があるからです。
また、時には愛好者たちとフラメンコの話に花を咲かたいものです。
そして、もっとフラメンコの勉強を続けたいし、やりかけの研究などもありまして、
それはスペインでしかできないことなのです。
でもそれだけでなく、スペインで始めた生活を止めたくないからかもしれません。 
 
考えてみたら、あっちもこっちも欲張りですね。だからいいことばかりではありません。
スペイン生活維持のためにずいぶん時間が割かれ、経費もかなりかかってしまいます。
家も、付き合いも、仕事も、問題も日本とスペインと両方で、時々頭が混乱します。
日本で待っている生徒さん達も寂しがります。ただ、グラナダの市営劇場で一昨年、
可能な生徒さんだけでしたが、発表会「英子とその仲間~日本のさくらんぼたち」ができたのは嬉しい思い出となりました。

「英子とその仲間~日本のさくらんぼたち~」フィナーレの映像

ダダダーッと突っ走って来たわたしですが、実は今年還暦を迎えました。
エッ!いつの間に......自分でも信じられない、なんと月日が経つのは早いのでしょう! 
やはり寄る年波か、このところエンジンがうまくかからないことも多いのです。
そして、60年も生きていたらもう少し賢くなっているのかと思いきや、
相も変わらず何事にも時間がかかり、あれこれ悩み多き人生......

そんなわたしではありますが、今までのフラメンコ人生を振り返ってみれば、
つまずきながらも何かに支えられ、導かれるようにして生きて来ることができました。
そして、有り難いことに、なんとか今も走り続けています。
いままで私に耐えて来てくれた家族や、応援して来てくれた友達や、ファンの方々をはじめ
その他大勢の方々に感謝したい気持ちでいっぱいです。

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アフィシオナード(フラメンコ愛好家)の一人として長く活動して来ましたが、
このところ、日本のフラメンコファンやアーティスト達のフラメンコへの熱い眼差し、
意気込みに圧倒されることがしばしばあります。
そんな中で、周りに感心ばかりしていないで、私も発信できることがあるんじゃないか、
わたしだからできることを見出して行けたら...などと、考えるようになりました。
今年はちょっと転換の年になるかもしれない......
このブログを書くことにもなったし、新しい試みに恥ずかしながらも密かな期待を掛けています。

もう桜の季節ですね。いよいよ今月末日には踊らなければなりません!
先ずは節目を迎えたわたしのライブ『きもったま鍋』を無事に終えること...... 
そして、またこのページでお会いしましょう!

※3月31日開催の高橋英子フラメンコライブ「Potaje con Coraje きもったま鍋7」-いつの間にか60年、ありがとう!- の情報はこちら。

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高橋英子 プロフィール

フラメンコ舞踊家。スペインに暮らしながら、現地での舞台活動を重ねてきた貴重な存在。81年渡西。83年、セビージャでセビジャーナスコンクールに入賞し話題を撒く。翌年、グラナダを代表する踊り手マリキージャのアカデミーに招かれてセビジャーナスのクラスを開講。以来グラナダに住み、フェスティバルやタブラオ、ペーニャ等に出演。リサイタルも度々開催している。98年にはスタジオ「ラ・カチューチャ」を開設した。一方日本では、ペヌルティモ・コンサートシリーズ、「きもったま鍋」シリーズなどを上演。フラメンコ舞踊独特のペソ(重さ)とコラヘ(怒り、内に秘めた激情)、そして粋なグラシア(愛嬌)に溢れたバイレは高い評価と人気を得ている。現在は日本でも常設クラスを開講し、日西を行き来しながら精力的に活動を続けている。
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