高橋英子のスペイン、グラナダ、きもったま

セレモニア・デル・リオ Ceremonia del Rio


4月8日はロマ人の国際記念日で、1971年ロンドンでの世界ロマ会議で制定されたということです。ロマ人は遥かインドから長い年月をかけてやって来た放浪の民ですが、ヨーロッパ各地に定住したロマ人は1000万人以上いるそうです。スペインには15世紀中頃に、グラナダにはレコンキスタの頃に兵士に混じってやって来たとも言われています。スペインのロマ人はヒターノと呼ばれていて、素晴らしいフラメンコアーティストが沢山いますね。4月8日といえばお釈迦様の誕生日と言われ、日本では「花祭り」がありますが、これは何か関係あるのかちょっとわかりません。
グラナダにはアンダルシア自治州の組織の中にある「アンダルシアのヒターノ社会文化センター」があり、ヒターノに関連した文化事業を企画していまして、毎年この国際記念日を記念したイベントがあります。午前中に講義や座談会、午後に野外セレモニーがありました。

Por la mañana午前
ヒターノ文化センター写真展午前中はヒターノ文化センターで写真展覧会とそのセミナーがありました。写真展は少年期に犯した罪で刑に服していたある若きロマ青年が、出所してからルーマニアのある村で数々の問題を抱えながらも自立して生きている様子を写真に撮ったものです。

カフェテリアでの懇談風景セミナーが始まる前のカフェテリア。参加者達が朝のコーヒーなどをとりながら和やかに懇談しています。

ヒターナたち近郊の村々からバスツアーでやってきたヒターナ達。

セミナー開始いよいよセミナーが始まり、主催者側や、ハンガリー政府から派遣されてきた方々の挨拶が始まりました。

ヒターノの旗ヒターノの旗です。青は空、緑は大地、土地を意味するそうです。真ん中の赤い丸いものはグレープフルーツの輪切りみたいですね(笑い)。これは車輪なんです。ヒターノたちは馬車に荷物をまとめて放浪していました。

さて、ハンガリーの大学から派遣されたロマ人研究者や民俗学的、人類学の知識人などの講演が始まりました。東ヨーロッパの各国に定住したロマ人のインテグレーション(統合)の経過、実態、問題などの説明がありました。


講演風景歴史上ロマ人への差別と迫害は多々ありました。今でもよそ者のロマ人が、定住した国の住民とうまく馴染めず、なかなか解決しない社会問題になっている国もあるようです。スペインは東ヨーロッパに比べるとまだ問題が少なく、統合も進んでいるといいます。でも、彼らのキャラクター、行状が土地の人に反感を抱かせてきました。グラナダでもヒターノはもとから住む土地の人達と同等に教育を受け、仕事もできますが、土地の人々の根強い反感の眼差しの中にいることは否めないのがその実状かもしれません。

ハンガリー娘真面目な講義や、短編映画の後にガラッと雰囲気が変わり、ハンガリーのロマ娘がマントンを持って登場!ジプシー音楽に合わせてやわらかなステップでした。

roma7pp.jpgセミナーが終わってから、グラナダにあるヒターナの組合「ムヘーレス・ヒターナ・ロミ」の人達と。後ろにいるハンガリー娘は身長180㎝ぐらいでしょうか、かなり大柄でした!

Por la tarde 午後

セレモニア・デル・リオのリーフレット午後は野外イベントCeremonia del Rioセレモニア・デル・リオです!「川ぶちのセレモニー」とでも言いましょうか、なぜ川でやるのかと思ったら、昔のヒターノ達は水のある川べりによく滞在したからだそうです。

ローマ橋グラナダには2つの川があります。街の北側のダーロ川と東のへニル川。でも実は、ダーロ川が中心街の地下を流れへニル川に繋がっているのです。会場はへニル川のプエンテ・ロマノ(ローマ橋)の横にある埠頭です。ここはグラナダ中心街のはずれにあり、川沿いに公園や遊歩道があって景色も好い場所です。

セレモニー挨拶午後7時過ぎにセレモニーが始まりました。会場には時間的に早いためか、若いヒターノが多かったです。舞台が設置され、知識人の司会者がロマ人の国際記念日の簡単な説明を開始、次に「パコ・デ・ルシアに捧げる」ということでマリキージャとマノレテが挨拶をしました。マリキージャもマノレテも今はアカデミアで後進の指導をしている大先生なのです。

へレム、へレムGelem Gelemを歌う若いグループさて、若いヒターノのグループが登場し、ヒターノのインノhimno称え唄「へレム、へレムGelem Gelem」を
歌いました。Andube,anduve por largos caminos..........¡Ay roma,ay muchacho!

ルンバで踊る人々称え歌が終わって、フィエスタ風になりました。ルンバでみんなが踊り出しました。こうなるとみんなノリノリです!

花篭を持ったヒターナのおばさんフィエスタが終わって一応舞台の出し物は終わりました。すると、雰囲気あるヒターナのおばさんがニコニコ顔で花びらをいっぱい詰めた籠をもってやってきました。

蝋燭が配られる一方ではべラ(ろうそく)を配り始めました!

川岸に並ぶ人たち花びらとべラをもらってみんなが川岸に並び始めました。こうやって花びらとべラを川に流すのが恒例なのです。

子供を助けるお兄さん子どもいっぱい来ていまして、間違って落っこちたら大変!お兄さんが助けていました。

川に浮かぶ紫のべラわたしも花びら巻き、ろうそくを灯し川に流しました!真ん中の紫のべラです。かわいいでしょ!
でも風があってすぐ消えちゃったんですよ、残念!

こうして川と縁のあるヒターノのイベントが和やかに終わりました!


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高橋英子 プロフィール

フラメンコ舞踊家。スペインに暮らしながら、現地での舞台活動を重ねてきた貴重な存在。81年渡西。83年、セビージャでセビジャーナスコンクールに入賞し話題を撒く。翌年、グラナダを代表する踊り手マリキージャのアカデミーに招かれてセビジャーナスのクラスを開講。以来グラナダに住み、フェスティバルやタブラオ、ペーニャ等に出演。リサイタルも度々開催している。98年にはスタジオ「ラ・カチューチャ」を開設した。一方日本では、ペヌルティモ・コンサートシリーズ、「きもったま鍋」シリーズなどを上演。フラメンコ舞踊独特のペソ(重さ)とコラヘ(怒り、内に秘めた激情)、そして粋なグラシア(愛嬌)に溢れたバイレは高い評価と人気を得ている。現在は日本でも常設クラスを開講し、日西を行き来しながら精力的に活動を続けている。
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