高橋英子のスペイン、グラナダ、きもったま

タイムマシンに乗って


いいアイディアがある! 
タイムマシンに乗って自分の青春時代に戻ってみてはどうだろう。
32年前、スペインに旅立ってからの第2の青春だ!
カナリア諸島にも行きたかったけれど......それはいつでもいい。
そうだ、タイムマシンにいっぱいお土産詰めて帰ってこよう! 

長い年月が経って、ちょっと一息入れたくなってきて
ある日、こんなことを思いつきました。

旅に出るのは楽しい。しかもタイムマシンに乗れたら最高!
わたしにとって、前世期のサクロモンテ(グラナダ)に行くことができたら、
そんな嬉しいことはないです。いえきっと、私だけではありません。
昔はどんなだったのか? 古き良き時代を見てみたい!
それはフラメンコを勉強する誰もの願いでしょう。

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自分の青春時代に戻ったって、そこにあるのは若気の至りばっかりで 
きっと恥かしいことだらけだけど、いろいろ勉強し直すことができるのではないかな。 
新しい発見もあるかもしれない。面白そうだ!
ちょっとこの辺で、伸び伸びとスペイン生活を謳歌していたあの頃を、
タイムマシンに乗ったつもりになって、先ずは思い出してみよう!

よく、「エイコ節」がよかった!とか、『きもったま鍋』おいしかった!
などと感想をいただきます。では、「エイコ節」ってどんな風なのか、
ライブ『きもったま鍋』って、どうしてそんなタイトルが生まれたのか?
また、劇場公演『ペヌルティモ・コンサート』の、
そのペヌルティモ(最後から2番目)って、どういう意味があるのか?
そういう自分スタイルとでも言いましょうか、それらはすべて
スペインでの体験なしには生まれなかったと思います。

フラメンコは多くの人の青春をバラ色に彩っています。
「本当に打ち込めるものはフラメンコ!」私もそう思って頑張って来ました。

わたしにとって、フラメンコは厳然とそこにあるもの、
山のような、海のような、草原のような......そんな壮大なものであります。 
そしてなかなか手ごわい相手なのです。
スペインで生まれた芸術なのです。ちょっとやそっとじゃわからない。
興味があればあるほど、果てしない疑問の渦に巻き込まれてしまう。
アーティストになろうなんて思ったら、たいへんだ!  
障害物競走みたいになってしまい、壁にもぶちあたる。

そんな中であえぐ私たちを、大仏のようにでんと構え、
どこかで見守ってくれているのがフラメンコなんじゃないかな。
私たち次第で、フラメンコで勉強できることはいっぱいあるように思います。

わたしはフラメンコの世界をちょっとだけ垣間見たに過ぎないけれど、
そこにあったあれこれは私にとって貴重な思い出、財産なのです。

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そういう訳で、このブログでは
我が「スペインでの歩み」をつらつら書いていくことにしました。
しばらくお付き合いくださいましね!

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高橋英子 プロフィール

フラメンコ舞踊家。スペインに暮らしながら、現地での舞台活動を重ねてきた貴重な存在。81年渡西。83年、セビージャでセビジャーナスコンクールに入賞し話題を撒く。翌年、グラナダを代表する踊り手マリキージャのアカデミーに招かれてセビジャーナスのクラスを開講。以来グラナダに住み、フェスティバルやタブラオ、ペーニャ等に出演。リサイタルも度々開催している。98年にはスタジオ「ラ・カチューチャ」を開設した。一方日本では、ペヌルティモ・コンサートシリーズ、「きもったま鍋」シリーズなどを上演。フラメンコ舞踊独特のペソ(重さ)とコラヘ(怒り、内に秘めた激情)、そして粋なグラシア(愛嬌)に溢れたバイレは高い評価と人気を得ている。現在は日本でも常設クラスを開講し、日西を行き来しながら精力的に活動を続けている。
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