高橋英子のスペイン、グラナダ、きもったま

2013年8月


年女、真夏の嵐、なんのその


今年は夏の始まりからこのグラナダに来ているわけですが、考えてみたら、
まだこの夏、雨を一度も見ていませんでした。
だいたい夏は雨が少なく水不足になることが多いくらいです。
ですが今日、ちょうど昼食の時間帯に突然あたりが暗くなり、
ゴロゴロと雷が鳴りだしたかと思ったら、ザーザー音がしはじめ激しい大雨となりました。
グラナダの街はこの夏初めてのトルメンタ Tormentas(雨嵐)に見舞われたのです。
お昼までは普通に晴れていたので、予期せぬトルメンタにビックリしました。
「このところのモヤモヤした思い」を一掃してくれるかのような大胆な降りっぷりでした!
2,3時間しておさまりましたが、なんだか心が洗われたよう!
ちょっとスカッとした気分になりました。いやなことは忘れて明日のことを考えよう!
このトルメンタ、わたしをそんな気持ちにさせてくれたようです。

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「ロス・ベラーノス・デ・コラール」の舞台を終えたのは、それはもう1ヵ月も前の話です。
報告ができないまま時間がこんなに早く過ぎてしまうなんて......信じられないです。
前回のブログで書きましたように、公演までに沢山の問題があったわけですが、
実は終わってからもまたまたあれこれありまして、バタバタしました。
いやな思いをさせられることも続出しまして......。
なんだか今回は問題が多過ぎて、考えさせられることばっかりでした。
そして、こちらのフラメンコ界のことや、今のスペインを新たに勉強させられまして、
いまだにどうも分からないことや、納得できないことばかりです。
「このところのモヤモヤした思い」とはそんなわたしのやりきれない気持ちのことなのです。

そんなこんなでブログの更新もなかなかできませんでしたが、
あんまりくどくど愚痴っぽく書かないで、明るく行きたいです。
遅ればせながらの報告で申し訳ありませんが続けさせていただきますね。

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さて、「新しい息吹に期待して」合わせ練習が始まった訳ですが、実はそれ以前に、
精神的ストレスが出たのか、急に首が痛くなり、薬飲んだり、湿布したりしていまして、
やはり合わせ練習でもスムーズにいかないこと等ありましたので、少しよくなったかと思うと、
また痛くなりで、不安感に苛まれたりもする日々を送りました。でも幸いなことに
本番日の2、3日前には痛みがとれまして助かりました。こんなことあまりないので
嫌な予感もちょっぴりあったりしましたが、無になってフラメンコの音楽に身をゆだねよう......。
そんな気持ちで、うまくいくかどうかは、運を天に任せ本番に臨みました。

結果的に大きな失態を演ずることはなく、観客の数も予想以上で沢山の拍手に包まれ、
盛況のうちに舞台を終えることができてホッとしました。
ここの友人や、ペーニャの人達や、いつも招待するマリキージャ、他の招待アーティストも
みんなとても良かった!と喜んでくださいました。肩の荷が下りたような気分でした。
終わってからはみんなに挨拶したり、感想聞いたりしながら、
ビールをとっても美味しくいただくことができました。
日本で応援していてくださっていた皆さん、ありがとうございました!

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事前の新聞社のインタビューでは、わたしが実は今年、60歳になったことをさりげなく言って、
(言う必要もなかった?)でもまだまだ頑張っているんだというようなポシティブな姿勢で
対応しましたが、下記のようなちょっとくだけた、微笑ましい?記事となりました。
「ほんとは引退を考えている?」と聞かれ、
「ノー!(笑い)。でも実際問題、2つの現実は厳しく精神や身体にちょっとこたえるわ。」
と答える。すると、
「ひょっとしたらフラメンコに疲れていない?」と来て、
「そんなことは絶対ない!大したアーティストにはなれなかったけど、これからも勉強し続け、
希望と情熱をもってわたしなりの世界を発展させたいわ」と答える。

確かにそういうことは言ったけど、こういう質問と答えで会話が進行した訳ではないです。
ぬけぬけと面白おかしく書いてしまうのってスペイン的かも?
2つ目の質問は、こういう風に実際聞かれたのだとしたら、フラメンコに疲れはしないけど
フラメンコ人(アーティスト)には疲れるって言いたかったですね。
(もちろん全部のフラメンコ人ではないです、一般的にということです。)
まぁとにかく、当日のこの新聞記事を見て観に来てくれた人に道で声を掛けられたりしまして、
それは、嬉しい話であります。記事にはこのブログのタイトル写真を載せてもらったので、
明るくなりました。イメージアップになったかも。

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公演が終わってから、3人の批評が新聞やネットに公開されました。実は自分の演技に関して
どんな感想を聞かせてもらえるのかは、今回ちょっと楽しみなことでもありました。
演技がうまく行けばいいけれどミスが目立ってガタガタになってしまうと、
やはり活字でバンと書かれてしまうのはきついですが、仕方ないことですね。
観てない人は批評をうのみにしてしまうことが多いので、どんな書かれ方をするかは
気になるところでもあります。でも、だいたいがグラナダのアーティストのことは
あまり悪くは書かない傾向があって、わたしにも好意的だったように思えます。
自分の踊りのことは自分でわかっているので、それらの確認の意味では納得のいける批評でした。
でもやはり、踊りの構成や細かい振付のことまではあまり批評できてません。
唄などの趣味がわかってもらえるのは嬉しいです。
とにかくまぁ、各人批評の仕方が様々で面白く、スペイン語の勉強にもなりました。

それではそれらの批評を混ぜながら、今思えばそれこそ今日のトルメンタのように
ドドッ、バワーッと踊り切った感じの今回の舞台について、次回は書いてみたいと思います。

FOTO舞台/植田苗水NAEMI