4月29日は国際(世界)舞踊の日Dia Internacional de Danzaでした。世界各国でジャンルを問わず舞踊祭がおこなわれているようですが、グラナダではこれに因んでグラナダ・エン・ダンサという団体ができ、昨年から活動を始めています。グラナダ市の協力を得て、いろいろな舞踊団、舞踊グループが参加する公演が2月~5月に渡ってイサべル・ラ・カトリカ劇場でありました。今のところコンテンポラリーダンス、スペイン舞踊などが中心で、今回参加したのは、コンセルバトリオ・デ・ダンサ(王立舞踊学校)やコンテンポラリーのDA.TE DANZA(ダ・テ・ダンサ)や、舞踊クラスを持つ語学学校のカルメン・デ・ラス・クエバスCarmen de las Cuevasのカンパニー、オスカル・ケェロOscar Queroのカンパニー、ルシア・グアルニードなどです。
世界舞踊の日は平日でしたので4月27日の日曜日に、グラナダの博物館や美術館などのスペースで各カンパニーやグルーブがデモンストレーションをするという短時間の催し物がありました。私はアルハンブラ宮殿のカルロスⅤ宮殿にある美術館に行きたかったのですが寝坊をしてしまい、近くの中心街にあるホセ・ゲェレーロ美術館に行きましたら、シンセサイザーの音楽で女性が踊っていました。途中から見たのですぐ終わってしまい、残念でした!コンテンポラリーだそうですが、全然訳が分からず、ただ動き回っているだけのように見えました。でも、こういうプロモーションがあるのはスペインらしいです。一般の人が無料で文化・芸術に触れることができ、休日の昼間を有意義に過ごすことができますね。
さて、グラナダ・エン・ダンサのこの催し物、先日25日にはこの催し物の最後を飾る宴「ガラ・フィナル」がありました。「ガラ・フィナル」では参加した5つのカンパニーが勢ぞろいし、それぞれがそれぞれのテーマで20分ぐらいの作品を演じました。それなりに見応えあって楽しめました。フラメンコと関係ないコンテンポラリーダンスは見慣れませんが、ダ・テ・ダンサの作品は観る人を飽きさせないアイデアがいっぱいあってビックリしました。イマジネーションの世界というか、現実から離れて一時的に不思議な世界に引き込まれます。なんだかよくわからない、そういう言い方もできますが、その動きは踊りが基本でとてもきれいでした。こういうのは、訳の分からないフラメンコを観るよりは安心して見られますね、私には。オスカル・ケェロはスペイン舞踊のクラシックなテクニックがしっかりしていてとてもうまかったのですが、唄なしのショーでちょっと寂しかったです。ルシア・グアルニードはグラナダの期待のバイラオーラです。エバ・ジエルバブエナのカンパニーに一時いましたが、このところソロ公演などで活躍していまして、昨年秋にグラナダにアカデミーをつくり後進の指導にも力を入れています。とにかく動きが美しく、フラメンカです。
この催し物で目立ったのは、初めてカンパニーを組んで参加した「カルメン・デ・ラス・クエバス」です。「カルメン・デ・ラス・クエバス」は今年、創立30年を迎えました。当初は歴史、文化や語学を学ぶ小さな学校でしたが、一階が洞窟になっていて、そこでフラメンコのクルシージョなども始めるようになりました。私も昔はクルシージョを受けたりしていました。数々のグラナダのアーティストにここで学べました。一時はマリオ・マジャもよく出入りしていましたよ。現在は4,5人の教師(ハビエル・マルトス、ライムンド・ベニーテス他)が専属で教えて、踊りの他フラメンコの理論講座、唄、ギターのレッスンもやっています。また夏には定期的に別の場所を借りてセビージャやマドリッドの人気アーティストを呼んでクルシージョを大掛かりにやったり、「カルメン祭りFiesta de Carmen」を企画し、サクロモンテで催しています。そのカルメン・デ・ラス・クエバスが、なんと専属教師陣主体のカンパニーを大胆にも作ったということなのです! 「カルメン・デ・ラス・クエバス」のオーナーは、30年ということもあるし、グラナダ・エン・ダンサも軌道に乗ってきているのでこの辺で奮起してカンパニーを作り、もっと活動の場を広げたいのだそうです。フラメンコが好きだし、常に前向きの姿勢なのです。現在の活動を見ていると、グラナダのフラメンコの発展に貢献しているなと思います。わたしもグラナダ30年だけどえらい違い!であります。コツコツ頑張って来て今ではいろいろなことに挑戦する余裕もでて来たということですね。拍手です。カンパニーが成功しますように!
写真はオーナーのナチョNacho Martinとマリ・カルメンMari Carmen夫妻。