高橋英子のスペイン、グラナダ、きもったま

いよいよ芸術の秋、フラメンコ en Granada


長い夏が終わってグラナダに芸術の秋がやってきました!
ペーニャ・ラ・プラテリーアでも秋のプログラムが始まり、早速登場しましたのが
ラ・ルピLA LUPIです。
ルピはあちこちで名前は聞いていてYOUTUBEなどでも見ていましたが
実際に踊りを拝見するのは初めて。とても楽しみでしたが、
期待を裏切らない見事な舞台を見せてくださいました。
ご主人?のギタリスト(クーロ・デ・マリア)もなかなかよかったです。
lalupi.png

いきなり昔風のタンゴで華やかに始まり、その後カーニャ、タラントなどを踊りましたが、
彼女の舞踊演出、気を抜かない締まった演技、人間味ある踊りに皆が魅了されました。
観客へのサービス精神も満点、観客と一体となり、会場に熱気が充満しハレオも飛び交う...
いいフラメンコを観ることができました。

Lupi ブログ用.pngのサムネイル画像ヒターナっていう雰囲気はあまりないです。
とてもシンパティカで明るい。
皆さんも直ぐお友達になれますよ!
来年春は日本にも行くそうです。
見逃せません、楽しみですね!

granagajovenさて、サクロモンテのチュンベーラの劇場ではグラナダ・ホーベンGRANADA JOVEN主催のノーチェ・フラメンカがありました。招待券を市役所などで配布し、市民は無料で観られるというもの。
これは行けませんでしたが、その次の週にONCEオンセ主催のフラメンコ公演が同じように招待券配布でありました。ただで観られることほど嬉しいことはありませんね。

そのONCE 主催のフラメンコ公演はBienal Flamenca ONCE Andalucía と言います。よく通りで宝くじを売っている盲目者を見かけます。ONCEの宝くじを売っているのです。ONCEとは身体にちょっと障害があったりで、実際仕事が困難ではあるけど社会に出て働きたい人達(Discapacidades)の自立と社会参加を援助する福祉団体のようです。宝くじを売って運営をまかなっています。この催し物はONCEの文化事業でしょう。2年ごとにアンダルシアで活躍が目立った若いアーティストの他、視聴困難だったりのアーティストに賞を与えるというもの。今年はセビージャのビエナル・フェスティバルの直ぐ後の開催ということで、1980年に第一回ビエナル・フェスティバルのヒラルディージョ賞を獲得した名カンタオールCalixto Sánchezカリスト・サンチェスのオメナへと称して開催されました。

oncefes3.pngハエンのカンタオーラ、グラナダの新星ギタリスト、アルバロ・マルティネーテ、そして盲目の歌手エル・プラソレータが受賞し、グラナダの新星バイラオーラ、クリスティーナ・アギレーラが招待アーティストでした。プラソレータは黒のサングラスで登場し、椅子に座るなりNo veo ná全然見えないよ!と一言、愛嬌あるステージで会場を沸かしました。写真の右端にいる女性は手話師です。アーティストが歌っている時も、ギターだけの時も、お話の時も終始大活躍でした!写真は賞の授賞式、ブレました。すいません!

calixto.pngカリスト・サンチェスは日本の皆さんにはあまり馴染みがないかもしれませんが、アントニオ・マイレーナの生地マイレーナ・デル・アルコールに住んでいて学校の先生をしていました。ヒラルディージョを獲得してから、一時フラメンコ界で大活躍し、グラナダにもよくやって来ました。私はカリスト先生のあの澄んだ美声、延びるような節まわし歌いっぷりに惚れこんだ大ファンでした。このところ、そういえばどうしているのかな、と思っていましたが、5年前に現役を引退してして歌っていないそうです。残念!でも冗談交じりの楽しいお話をしてくださいました。(写真は私がスペインに上陸した1981年のもの。セビージャ、アルカサール(王宮)でのコンサート終了後にインタビュー?した時のものです。)

calixto2.pngフラメンコは詩で人生を歌ったもの、他の音楽とはちょっと違って難しいことが多いけど、こうして目の見えない、耳の聞こえない人達も含めて一同に会してフラメンコの一夜を過ごせることは素晴らしい、などなど終始笑顔でとてもフレッシュなのは変わりません。本当に懐かしく、我が身のやつれを忘れてついつい記念写真をお願いしてしまいました! 35年、長いです。でも笑顔っていいですね!

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高橋英子 プロフィール

フラメンコ舞踊家。スペインに暮らしながら、現地での舞台活動を重ねてきた貴重な存在。81年渡西。83年、セビージャでセビジャーナスコンクールに入賞し話題を撒く。翌年、グラナダを代表する踊り手マリキージャのアカデミーに招かれてセビジャーナスのクラスを開講。以来グラナダに住み、フェスティバルやタブラオ、ペーニャ等に出演。リサイタルも度々開催している。98年にはスタジオ「ラ・カチューチャ」を開設した。一方日本では、ペヌルティモ・コンサートシリーズ、「きもったま鍋」シリーズなどを上演。フラメンコ舞踊独特のペソ(重さ)とコラヘ(怒り、内に秘めた激情)、そして粋なグラシア(愛嬌)に溢れたバイレは高い評価と人気を得ている。現在は日本でも常設クラスを開講し、日西を行き来しながら精力的に活動を続けている。
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