高橋英子のスペイン、グラナダ、きもったま

発表ライブ「Ole con Ole」に向かって!


シティオ塾「伝統的クアドロフラメンコの実践講座」は、いい感じで只今進行中です。
受講生のみなさんは講座に興味を持ち、いろいろと都合して受けてくださっていますので、
こちらも沢山勉強になる有意義なレッスンにしたいと毎回気を入れて臨んでいます。
地方から長距離バスで通ってくださっているフラメンカさんもいますよ!

発表ライブ(参加自由)付きのこの講座ですが、考えてみると、
2ヶ月の集中講座を受けて消化する間もあまりなくワーッと本番、即実践というのは、
受講生にとって足ガクガク、胸ドキドキものかもしれませんね。
ちょっと強硬なんじゃない?と、どこからか非難の声が聞こえてくるような......。
でも、もうチラシができてしまいました!
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このライブタイトルですが、「オレ、コン、オレ」じゃなくって
「オレ、コ(ン)ノレ」と読んでください。
(汗→ちょっと書くのが難しい!)
皆さんご存知の「Oleオレ」は、掛け声(ハレオ)の中でも一番ポピュラーで頻繁に使われます。
このタイトルは、誰でも親しめるこの「Oleオレ」がとっても沢山っていうふうに考えてください。

出演はクアドロフラメンコ「ベンタ・エル・ハレオVenta El Jaleo」のメンバーです。
勿論このライブの為に結成された一時的グループで、グループ名も私が勝手に決めています。
メンバーはシティオ塾参加以前は全くの他人でしたが、この講座参加で知り合い、意気投合し、
仲間意識も芽生えて来ています。皆さんやる気満々です。
とっても明るくワイワイガヤガヤ、全く私としては嬉しい限りであります。
困難を乗り越え、この講座を始めて良かった!と明日への希望が湧いてきます。
受講生の皆さん、ありがとうございます!

ベンタVentaとは、都市からプエブロ(村)へ向かう街道沿いにある休憩所のようなところです。
酒場だけだったり、レストラン兼旅館だったりと規模はいろいろですが、アーティスト、
アフィシオナード、他フラメンキートな人達などの寄合所にもなっていたベンタが昔はよくあって、
フラメンコのフィエスタ、フエルガが行われていたようです。

エル・ハレオEl Jaleoとは、私が大昔働いていたマラガ県トレモリーノスのタブラオの名前です。
ここで実地訓練し、勉強したことに則って今回の講座をやっていますので、
その精神を受け継ぐ意味で発表ライブのクアドロ名にしました。
タブラオのEl Jaleoはすでに存在していたので、タブラオではなく、先ほど説明したベンタとし、
Venta El Jaleoとしてみました。いかがでしょうか? Venta El Jaleoは実際には存在しませんが、
その精神はここにあり!まぁそんな感じでしょうか。

ですので、今回のハレオ歌は30年、40年以上も前に流行り、よく歌われていた古の曲が多いです。
フラメンコ学習の意味で必至の曲などもあります。やはり「伝統的な」を意識しています。
しかしそれを意識すればするほど「難しさ」が増します。
私自身もフラメンコの壮大さ、奥深さ、自分自身の完成度などを考えるとまだまだ勉強中ですので、
今回はできる範囲の「おかしくならない形」でまとめることとしました。

ここでお断りしておきます。ハレオ歌は全てオリジナルを尊重していますが、
わたし風になっている部分も多いです。

星の数ほどある歌の中から、ハレオ歌として楽しめるものを選びますが、
オリジナルなんかわからず、人が歌っているのを聞き覚えたものも多いのです。
元歌をフラメンコ風に変えてしまったり、歌詞を替えたりということもある世界です。
どんな風にハレオ歌を歌うか、まとめるか、そしてクアドロの演出は
仕切る人のセンスの見せどころだと私は思います。

余談ですが、あれこれハレオ歌やルンバなどを思い出しているうちに、私がスペインに行く前、
日本の先輩の方々に習った曲なども勉強し直すこととなり、新たな発見があったりしました。
私にとっては研究課題が増えてしまいましたが、俄然、楽しくなりました!

ところで、発表ライブの主な目的は講座で勉強したハレオ歌や掛け声、パルマなどの実践です。
そして各人が自分を押し出してしっかり踊っていただくことにあります。

舞台に上がっている限りは、ハレオ歌を歌い、踊りになるとパルマや掛け声で応援、
踊りが終わると次のハレオ歌というふうにいつもフル回転で、仲間が踊っている時も
ボーっとしてはいられないので大変です。
そんな中で自分もしっかり踊らなくっちゃならないのです。

ソロの踊りは各人の持っている振りで踊っていただきます。
先生についている方は、先生に習った振りをそのままやっていたり、先生に直してもらったり、
経験の長い方は習った振りを自分で今回の為にまとめ直したりしている方もいらっしゃいます。
ソロの踊りに関しては、私は今回踊るために必要な最小限のアドバイスだけしています。
タブラオ等で踊る時には実際問題どんなことが必要になってくるのか?
それを考えると、各人が自分で自分の踊っているバイレの構成を
どこまで分かっているかが問題となります。先生に振付けてもらった踊りなら、
先生がどのように振付けたのかを、音楽構成も含めて理解しておかなければなりません。
この講座が、そういうことも大切なんだということを認識したり、自分の踊っている踊りを
見つめ直すいい機会となれば幸いです。

講座も終盤に差しかかりました。発表ライブまで1ヵ月を切りました。
受講生の皆さんはハレオ歌のレトラ(歌詞)が頭の中で渦巻いていることでしょう。
スペイン語に慣れるどころか、混乱してしまっているんじゃないかとちょっと心配......大丈夫かな?
答えは、「やってくれる!大丈夫。」です。
参加者の皆さんは本番が来るのをとても楽しみにしています。
密かに特訓しているようですよ。どんな晴れ姿を見せていただけるのか楽しみです。
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さて、私は座長役ということでして......いささか緊張しています!
実は私個人が主宰している教室「クルソフラメンコ」では、発表会、発表ライブで、
必ずクアドロフラメンコをやって来ました。「クアドロが楽しかった!」と、
よくお褒めの言葉をいただいたものです。エヘン!(笑)
ですから座長役は初めてではありませんが、
なんと今回は、私も受講生に混じって発表するのです!
フェステーラがいないのでその雰囲気だけでも......と思いまして、歌って踊ります!
ギェー!はい、お断りしておきますが、唄はうまくないです。すいません!
でもフラメンカです、多分。参考にほんのちょっとですがこの映像を見ていただけますか。
もう恥ずかしいなんて言っていられなくなりました!やるっきゃないです。
さぁ、これから本番まで特訓開始です。そして、今回も張り切って行きます!

皆さんもハレオ(掛け声)の練習がてら見にいらっしゃいませんか?

★発表ライブ詳細
フラメンコ楽学広場 シティオ塾「伝統的スタイルのクアドロ実践講座」
受講生発表ライブ 
OLE CON OLE
[日時]2014年11月16日(日)17:30 開場、18:00 開演
[場所]高円寺/カサ・デ・エスペランサ
[チケット料金]3,000円(ワンドリンク付)※追加オーダー出来ます。
[バイレ]石本国子、小林浩子、高橋明子、竹田絹恵、中嶋藍子、高橋英子
[カンテ]エル・プラテアオ [ギター]小林亮
[チケット申し込み・問い合わせ先]
メールにて件名に「クアドロ発表ライブチケット申し込み」と明記の上、
氏名・チケット枚数・連絡先電話番号・アドレスを記入してシティオ塾juku@flamenco-sitio.com まで送信ください。

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高橋英子 プロフィール

フラメンコ舞踊家。スペインに暮らしながら、現地での舞台活動を重ねてきた貴重な存在。81年渡西。83年、セビージャでセビジャーナスコンクールに入賞し話題を撒く。翌年、グラナダを代表する踊り手マリキージャのアカデミーに招かれてセビジャーナスのクラスを開講。以来グラナダに住み、フェスティバルやタブラオ、ペーニャ等に出演。リサイタルも度々開催している。98年にはスタジオ「ラ・カチューチャ」を開設した。一方日本では、ペヌルティモ・コンサートシリーズ、「きもったま鍋」シリーズなどを上演。フラメンコ舞踊独特のペソ(重さ)とコラヘ(怒り、内に秘めた激情)、そして粋なグラシア(愛嬌)に溢れたバイレは高い評価と人気を得ている。現在は日本でも常設クラスを開講し、日西を行き来しながら精力的に活動を続けている。
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