ご無沙汰しています!
フラメンコも長くなりまして、私もいつの間にか年金世代になりました。
いろいろと状況が変わり、いままでの生活から新しい生活への切り替えその他で
慌ただしく過ごしています。おまけにいろいろ問題発生で落ち着かず、
フラメンコに集中できない、踊るなんて~~来年までお預けかも。そんな中、
相変わらず続けているのがスペイン生活、先月までちょっとグラナダに行っていました。
ただこの数年はグラナダに帰っても、やっているのは荷物の整理だったりしています。
長くなったスペイン生活も幕を閉じる時が来ている訳ですが、これが大変なんですよ。
とにかく物がいっぱいありまして、そう簡単にうまくは片付かないのです。
なにしろ長い、スペイン生活始めて35年、いや、もう37年です。
信じられませんね、こんなに長い間スペインと日本の2つの世界でやってきたなんて。
売ったり、あげたり、捨てたり、日本に送ったりと大変でしたが、物はだいぶ減りました。
でもちょっと待った、問題発生!物は処分できないことないけれど
いままでスペインで抱いてきた夢や希望までいっしょに処分はできない!
とまぁそんな私ですが、なんとかスッキリ、悩まず明るく、そう、幕は華々しく閉じたいものです。
しかし10ヶ月ぶりのグラナダ、いろいろ変化がありました。
街では路面電車&メトロがやっと開通していたり、綺麗なモダンな新しいお店が開店していたり、
フラメンコも盛んで、あちこちで様々なフラメンコが見られる......
グラナダレポート「カチューチャ便り」もお届けしたかったのですが、そんな訳で滞在中には
書く時間がとれませんでした。事後レポートになりますが次回のお楽しみ、頑張ります。
さて、ちょっとこのビデオを見てください!
実はこんな調子でモタモタしている私ですので、2月の生徒ライブの後はあまり踊っていません。
踊り手なら踊っていなくちゃなりません。いつでも何らかの舞踊活動をしてきましたし、
とにかく体も頭も硬くならないうちにクラスを再開して踊りたいと思い立ちました。
それも、どうせ再スタートするなら、長いスペイン活動で経験したことを生かせるレッスンが
したい。それなら自分がもっと出せるかもしれない、とも思いました。ここ数年は、
「伝統的スタイルのクアドロフラメンコ」(シティオ塾)とか、
映画「サクロモンテの丘」封切りに便乗して「グラナダのタンゴ・体験レッスン」とかも
やってきました。これらの経験で、ただ踊りの基本や振付だけ習っているのでは
飽き足らないフラメンカさんが、もう一歩踏み込んだフラメンコに興味がある
フラメンカさんが多いのだなぁ~とわかりました。
皆さんのフラメンコの枠がより広がっていくのはいいことですね。
ですので、勿論これらのクラスでやっていたハレオ歌や、グラナダのタンゴ等も
続けていきたいと思っています。
また、最近はシニアの方が増えていると思います。
私もシニアになって身体をこれ以上いじめるのは危険な状態、もっとセーブして
余裕のある振付で優雅に踊ること、そんなことにも興味あります。
また、しばらくやっていなくて再開したい方とか、どこか故障していて無理できないとか、
いろんな状況の方がいらっしゃいます。
フラメンコは好き、やめられない、またやりたい...色んな方を応援できたら嬉しいです。
それでちょっとこの場をお借りしてレッスンの情報もお伝えしますが、
詳細はこちらで確認してください。また、質問などあれば気軽にお問合せください。
高橋英子/クルソdeバイレ(12月までの予定)
●バイレ振付クラス
木曜夜/タンゴス(月2回)
金曜昼/ソレア(シニア向け) 金曜夜/ソロンゴ
土曜/シギリージャ、ガロティン
日曜/タンゴス・デ・グラナダ(月2回)、ソレア・ポル・ブレリア(月2回)
●合わせて気軽に参加できるハレオ歌クラス 木曜夜/土曜/日曜
●恒例のグラナダのタンゴ体験レッスン(月1回ペース)
♪miniライブ企画もあります♪
会場:プレステージ、モダミカアートプラザ
料金:2,000円~4,000円(1h)
お問合せ、お申込み:estudiolacachucha2@gmail.com 高橋まで
*クラス・ライブに関するメルマガをご希望の方もご連絡ください。
今年は映画「サクロモンテの丘」が封切られ、その関連イベントでグラナダを踊ったり、サクロモンテに関するレクチャーや簡単な入門講座、「サンブラって何?」という講習会などさせていただきましたが、その後その流れで個人的に続けているのがタンゴス・デ・グラナダの体験レッスン「どんなタンゴ?」であります。
グラナダといえばタンゴの土地として有名で、沢山のタンゴ歌があります。ですが、さて踊りはどんな感じなのかといいますと、あれっ、どんななのだろう?首をかしげてしまう方も多いのではないでしょうか。
タンゴは、カディスやセビージャ、エストレマドゥーラ地方、マラガ、グラナダなどでそれぞれ独特のタンゴがあります。その中でもグラナダのタンゴはアラブの香りが濃いのが特徴で、殆んどはサクロモンテで発展しました。ですからだいたいの普通のテンポで歌われる、又はあちこちでタンゴ・デ・グラナダとして歌われるタンゴはタンゴ・デル・カミーノ(カミーノとはCamino del Monteサクロモンテのこと)で、タンゴ・パラーオなどとも呼ばれ、これは歌い方になると考えます。
とてもグラナダ的なのは、高音で力強く歌うバリエンテと呼ばれる歌い方で、とっても歌唱力がいります。アラブ風のサンブラは遅めのテンポで歌われ、コミカルなタンゴはだいたい早いテンポで歌います。グラナダのタンゴは幾つかに分類できますが、このようにテンポの速さで考えると、タンゴ・デ・ファルセータ(他にも呼び方があってややこしい)といって、実に速いタイプのタンゴがあります。これを踊るのは非常に難しく、それはそれは古の味がムンムンするものでありました......
そうでなんです!グラナダのタンゴはエスぺシアル(特別)なのであります。少なくとも私にとっては魅惑の世界です。とても私なんかに踊り熟せる世界ではないかもしれないですが、自分が踊るのに比較的スムーズに入り込めるタンゴもあって有り難い、豊かな気分になれるんですね。それで、いったいどんなタンゴなのかを体験して、グラナダ的なアイレを少しでも感じていただけたらと思い、私のクルシージョ活動の一環として始めました。
ではいったいどんなやり方でやっているかといいますと、いわゆるサクロモンテの洞窟で今から50年ぐらい前に録音されたフラメンコショー(サンブラ)でのタンゴの音源を聞いて、それに合わせて私が簡易的に振付けた踊りをフラッシュ・モブみたいに踊っていただいております。誰かが踊っている録音ですので、それに合わせて踊るのは踊りにくいです。でもダイレクトにグラナダの典型的な歌やあの時代のギターのトーケが耳に入ってきます。サクロモンテ独特のハレオも聞こえてきます。まさに本場の雰囲気をつかむことができます。音楽でフラメンコ踊るのは学習段階では仕方ないことで、こうやって勉強するしか他に方法は見付りません。これでこれで私は気に入っています。
要するに勉強するのは古いタイプの踊りであります。ご存知のようにフラメンコ舞踊は近年急激に発展し、舞踊テクニックが幅を利かす時代になってしまいました。なってしまったというのは、半分「残念だ!」という気持ちが私の中にあるからそう言うのかもしれません。勿論、発展するのはいいことで、その時代の踊りを踊る、そういうものだと思います。現代は現代で素晴らしいアーティストがいっぱいでてきました。ただ、踊りのモダン化がフラメンコ性を封じ込めてしまった感があります。古き良き時代のフラメンコ舞踊にはそのシンプルさの中にテクニックで解決できない、それなりの雰囲気、その人なりの持ち味がでていたものでした。そしてそういうものは、やはり各人が余裕を持って踊り、自然に出す、又は自然に出て来るものであって欲しいです。フラメンコが発展していく基となった昔のフラメンコの素朴なアイレを勉強しながら、踊りの世界での「自分」というものを見付けて欲しい、そんなふうにも思います。
フラメンコは各人が自由に振付けることができます。ですから勿論、モダンな振付でグラナダのタンゴを歌ってもらってタンゴス・デ・グラナダと称することもできます。でも伝統的なスタイルやアイレを心得た時、踊りが冴えてくるものです。私は他の土地のタンゴ歌も好きですが、それらをその土地でどんな風に踊られていたのか知りません。おそらく踊りは一般的なタンゴのノリで地方色はそんなに強いものではなかったのではないかと想像しています。
でもグラナダは違います。長年の洞窟フラメンコショー(サンブラ)で踊られてきまして、そこで雰囲気が固まりました。それを私は大切にしたいと思っています。ですから、この体験レッスンでは長年サクロモンテと付き合ってきた私の記憶や感覚を頼りにやっていますが、あんな感じだった、こんな感じだったな......、難しいです。私風になってしまっているでしょう。そこは私なりになんとか折り合いをつけて、自分も勉強し直すつもりでやっています。映画「サクロモンテの丘」の中でもまだ現存で昔からのアイレをもっている貴重なアーティストを見ることできるのは嬉しいですが、歌ばっかりですね~~~~。歌はそのまま残り、踊りはそのままは残らない......。
まぁとにかく、今の自分の持っている基本的なテクニックだけで充分なんで、要は皆さんのグラシアが自然に出て自分でも心から楽しんでいけるようになって欲しいな、皆さんの身体に潜んでいるものをもっと引き出してもらえたらな、という気持ちでやっています。
この体験レッスンは現在月1回ぐらいのペースで続けています。若い方から60代の中高年の方、舞踊レベルも様々な中やっています。とにかくこの体験レッスンは雰囲気をつかんでいただくことを第一に考えています。来年は新しい音楽と振付でやってみたいと思います。将来的には生のギターで自分なりに踊れるようになれば楽しいですね。ですのでこのやり方でない普通の常時クラスも設けられればと思っています。興味のある方はドシドシご希望をお寄せくださいね。
実は前回のレッスンに地方からお越しだった飛び入り参加者がいまして靴無しで頑張ってくださいましたよ!クラスの雰囲気も明るく、皆さん楽しそうに受けてくださいました。おまけに主催者に協力的!忘れないために最後に撮っているビデオを公開することを承諾してくださいましたので、クラスの雰囲気をちょびっとだけですがお見せします。あなたも是非体験しに来てくださいね!
《グラナダの魅力、それはタンゴ/Tango de Graná体験レッスン》
♪ 音源があるから雰囲気つかみやすい!
♪ シンプルでそれなり、誰でも楽しく踊れる!
♪ 1回でだいたい、2回受けてバッチリ覚えられる!
[日時]12月10日(日)、1月28日(日) 13:30~14:50
[会場]後楽園プレステージ
[料金]¥3,500(9人以上で500円引)
※1月の日時は変更になる可能性がありますので事前にお問合せください。
お問合せ、お申込み: ecoflamenco@nifty.com 高橋まで
シティオ塾「伝統的スタイルのクアドロ実践講座」です。
踊りの構成を考えるには、その曲が昔からどのように踊られてきたのか知っておくことは大切ですが、踊る場「タブラオ」でのクアドロフラメンコにも昔の姿と今の姿があり、昔はどういうものだったのかっていうことを知ることは勉強になります。
タブラオでは、お店の看板スターが出る前の前座としてクアドロフラメンコがあるものでした。おそらく初期のタブラオで展開されていたと想像できる往年のクアドロフラメンコ、それを私は「伝統的スタイル」と呼んでいます。今日のタブラオではもう見られないです。フラメンコの発展とともに、現代はだいぶスタイルが変わってきてしまいましたが、この「伝統的スタイル」のクアドロフラメンコを勉強するのがこの講座です。
講師を務める私は1981年にセビージャに渡りました。あの頃のセビージャではもうこういうスタイルではやっていなかったように記憶しています。ですが2年後、マラガ県のトレモリーノスのタブラオ「エル・ハレオ」に出演した時に、とってもためになる、そして楽しいクアドロフラメンコの経験をしました。そしてそれが後から、正にあの時代消えつつある「伝統的スタイル」のクアドロフラメンコだったことがわかりました。グラナダに定住するようになってからもとってもグラナダ的な「伝統的スタイル」のクアドロに出演したことがあり、それはそれはメンバーのバラエティに富んだ芸が光り、フラメンキートな感覚が生み出す絶妙な即興が楽しめるものでした。ですから私はギリギリ間に合い、貴重な体験をすることができたのだな、と今になって有り難く思っています。
そんな私のフラメンコ体験を活かして3年半前に始めたこの講座、いままでやった2回の発表ライブも充実していました。受講生の皆さんの楽しそうな笑顔が忘れられない思い出となっています。続けなくっちゃ!という使命感も感じ始めました。スペインで勉強した魅力あるクアドロの出し物(演目)を皆さんに教えていく伝道師でありたいと思うようになりました。1年半のブランクがありましたが新規フレッシュスタート、興味のある方は大集合! です。
さて、講座の具体的な説明に入ります。
クラスは月2回のレギュラークラスとなります。
この講座といいますかレッスンは、新しいタイプのフラメンコレッスンです。「伝統的スタイル」に学ぶことが多いのでフラメンコ研究生に是非体験していただきたいオプションコースです。今回再スタートに当たり月2回のレッスンになりましたので、レッスン進行がゆっくりペースになりますが、時間を掛けますので、じっくり取り組めるのではないかと思います。毎回の繰り返し練習で確実なものにして行きましょう。
レッスン内容はどんなこと?
●クアドロフラメンコに関する理論的なこと
いったいクアドロって何なのかとか、クアドロの一員として舞台に上がる時の心構えとか、クアドロの構成(始め方、進行、終わり方など)だとか......、いろいろな知識などです。
●基本リズムのパルマの叩き方と踊りに合わせたパルマの叩き方など
よく踊られる基本的な曲を取り上げてコンパスをパルマで刻むことから、伴奏パルマの練習などを基本的な振付例をもとに練習していきます。実際に受講生の皆さんに自分の踊りの一部分を踊っていただいて、どのように踊りを盛り上げていくかも考えましょう。ギタリスト、歌い手などにも来てもらってより実践的に勉強して行きたいです。
●ハレオ(掛け声)の掛け方、タイミングなど
バイレを観ていて、後ろの歌い手やパルメーロが時々掛け声飛ばしています。気の利いたハレオで演技者を元気づけてあげるのは大切なことです。オレ―Oleとかアサ―Arsaとか基本的なハレオから始め、どんなタイミングで掛けたらいいのかも勉強したいですね。
●ハレオ歌の練習(ブレリア、タンゴ、タンギージョ、ルンバなど)
ハレオ歌はリズム系の楽しい歌です。簡単なレトラ(歌詞)を覚えてコンパスに乗せてみましょう。うまく行くとグッと爽快な気分になります。曲はいろいろで、ルンバや軽快なタンゴをはじめ、歌謡曲調、語り調、パロディなど色々なブレリアなど。といってもどんなものなのかピンとこない方も多いかもしれません。音源のあるものは聞いてみて、少しずつ覚えましょう。
●基本的なグループ舞いの振付(イントロ、フィナーレ等)
タブラオでは各人が1曲踊るほかに全員で何か揃いの踊りをやったりします。何をやるかは様々です。先ずはもちろん、昔はこうだったという伝統的スタイルから勉強していきます。
という訳で、けっこうやることあります。でも毎回ちょっとずつやって行くわけでそんなに構えることはありません。ノートを用意してメモしましょう。私の提供する昔の音源などは録音しましょう。家でも復習しましょう。
ある程度進行したらスタジオライブでクアドロに慣れて行きながら、
タブラオでの発表ライブに備えます。
定期的に発表ライブを企画し、タブラオで実践します。でもいきなりどこかのタブラオでバーンとやるのでなく、人前で掛け声やハレオ歌などがホイと出てくるように場数を増やし慣れて行きたいです。それがスタジオライブです。少しでも余裕をもってタブラオに挑戦するためにも、一応講座ではアカデミックな考え方でタブラオでの本番前に予行練習みたいな機会をつくって小さな経験を積んでいただきたいのです。地道に自信を付けていくことが大切です。そんな中で、舞台に立つための身だしなみや心構えなどの準備もできていくと思います。
今回の再スタートではスタート時点で発表ライブの日程は決まっていません。でもできたら1年~2年以内にできればと考えています。皆さんの逸る気持ちや都合もあるかもしれませんので、ある時点で日程的な予定を立てて行きたいです。
講座のプラスアルファ+α
フラメンコ学校でアカデミックなことを勉強することは価値あることですが、実際に自分で消化していくには現場での訓練が何よりも効を奏します。タブラオで修業することは自分を確実にしていきます。ですから「タブラオで踊ろう!」を目標に技術的にいろいろ勉強するのがこの講座です。でもただ単にそれだけじゃあ、ありません!
講座では、スペインを知ること、スペイン文化、歴史......それも何となく掴んでいけるようにしていきたいです。フラメンコがスペインで生まれて育まれたものなら、そこにスペイン文化、宗教その他の影響があるのは当然で、一般のスペイン人の習慣やその中での生き方などが関係してフラメンコは存在しているからです。自然にスペイン文化に直結した世界に皆さんを引き込んで行けたらと思います。
どんな方が対象?
いままで読んでいただいて、ハッと思ったフラメンコ研究生全てが対象です。あなたがフラメンコをだいたい習っていて、何かみんなでクアドロもやりたいけどどうしていいかわからない方とか、教室に通っているけれどクアドロなんてやったことない、ハレオなんか知らないからやってみたいとか。また、踊りを習っていらっしゃる方々だけが対象ということではありません。このところカンテが好きな方が増えましたけど、ホンドJondoな歌ばかりでなく、もっと気軽に歌える身近な歌でフェステーロ(ブレリアやタンゴを歌って踊る人、ルンベーロなど)みたいなことやってクアドロに出てみたいと思っていらっしゃる方とか......何でも相談してください。全て私ができる限りのアドバイスをさせていただきます。
皆さんのお越しをお待ちしています!
講座の詳細はこちら
レッスン内容などでわからないことのご質問はこちら
遅ればせながら、昨年末のシティオ塾「伝統的クアドロフラメンコの実践講座」発表ライブの
レポートをお届けします。なにしろ参加受講生の皆さんの熱のこもった演技、ハレオなどで、
会場がムンムンしていたのです。
昨年の9月から月2回ぐらいのペースで合計8回のレッスンを終えた受講生の中で
ライブに参加なさった7人のフラメンカさん達は、それぞれがそれぞれの想いを籠めて
ライブ出演に取り組み、一生懸命頑張ってくださいました。
タブラオで踊ることは、踊り手としてフラメンコの道を切り開いていくために役立ちます。
経験を積んで、自身を磨いていくことは大切ですね。
「伝統的クアドロフラメンコの実践講座」では、タブラオなどでクアドロフラメンコをやる場合に
必要になるハレオ歌や、伴奏パルマ、グループの簡単な顔見せ踊りなどを勉強します。
ですので、ソロの踊りは各自が用意した曲を自由に踊れますが、同時に講座で勉強したハレオ歌も
しっかり歌い、他の出演者の演技をパルマで、掛け声で応援しなければなりません。
ですから、皆さん大変ですけど、それに慣れて行くことが目的であります。
さて、今回はクリスマスと重なりましたので、ビジャンシーコを勉強してもらえるチャンス、
私はその準備に余念がありませんでした。
講座のハレオ歌でも半分はビジャンシーコをやっていただき、ライブはライブで
スペインのクリスマスムードたっぷりの内容でまとめました。
発表ライブのハイライト
顔見せ(プレセンタシオン)用の簡単な群舞、フィン・デ・フィエスタなどを勉強する「バイレコース」。今回はタンゴとファンダンゴ・デ・ウエルバでした。
講座が終わってから2つのグループに分けて、ライブ用に振付し直しましたので、ライブ直前の特訓となりました。実践となると、応用が利かないとなりませんので、更に勉強になりますね。
「ハレオ歌コース」で勉強したのは、スペインで昔(70年代)流行った懐かしいルンバや、
お馴染みのパロディ風ブレリアなど3つのテーマの他に、独特のビジャンシーコ、
日本でもフラメンコ通にはお馴染みのビジャンシーコなど3曲でした。それらを無事終了、
出演受講生の皆さんも大声でしっかり楽しそうに歌っていてホッとしました。
私は、パンデーロ(タンバリンの仲間)、アニス酒のビン(フォーク、スプーンなどで鳴らす)などスペインならではのクリスマスの楽器を持参し、ちょっとお披露目、ビジャンシーコが盛り上がりました!
私は座長役なので出番は最後でした。昨年に引き続き、またまたフェステーラ役です。
クリスマスには馴染みのしみじみとした曲「カンパニジェーロス」をブレリアで歌いました!
自声が小さい私ですが、マイクがあったので自然に気持ちよく歌えました。
どなたかフェステーラで参加したい方、いませんか~~?
さて、クワドロの出し物が終了しまして、バックアーティストや出演受講生の紹介の後に私の挨拶。この機会にスペインのクリスマスの説明などもしました。バックのアーティストさんもかなりリラックスしていらっしゃり、出演受講生も会場のお客様も楽しそうに聴いてくださりホッとしました。
クリスマスにビジャンシーコを歌うフィエスタのことを通称サンボンバと言います。
今回のライブはクリスマスライブでもあるので、ミニ・サンボンバというサブタイトルを付けましたが、サンボンバはもともと楽器のことなのです。写真をご覧ください。私が持っているのはグラナダのGuadixという村のサンボンバ。可愛いでしょ!せっかくなので、皆さんにお見せしました!ブーブーって鳴るんですよ!面白い楽器ですね。
さて、その後のフィン・デ・フィエスタでは前回のライブ参加受講生が飛び入りのウナ・パタイータ!オレ!盛り上がりました!
こうして第2回のOLE CON OLEは賑やかに終了しました。また次回が楽しみですね!
シティオ塾
「 伝統的スタイルのクアドロ実践講座」
発表ライブ
「OLE CON OLEvol.2」
2015年12月23日(水・祝)
アルハンブラ
出演者 [B]高橋英子と有志7名
[G]いわねさとし [C]有田圭輔
アッという間に師走となり、もう半ばを過ぎています。年末の忙しなさの中、
「伝統的スタイルのクアドロ実践講座」の発表ライブが迫っています。
9月から月2回ペースで続けて来たレッスン、受講生の皆さんは自分のソロ演技の他に
ハレオを沢山歌ったり、掛けたりしなければならないこの発表ライブは
けっこう緊張するのでは?などど思います。
実は受講生以上に座長役を務めるわたくしめのほうが緊張度は大きい!!
エッ!そんなことでいいの?皆さん心配なさってしまいますよね、きっと......。
なにせ......、昨年より参加者も多い、場所も大きい、
さらに、ビジャンシーコもいっしょにやるのは初めてなのです!
ビジャンシーコ(クリスマスソング)は山とあります。数曲選び出すのは至難の業、
今回のレッスンでは日本でもポピュラーと思われるもの、
グラナダ独特のもの、ヘレスでよく歌われるものなどを選んで
受講生には勉強していただきました。それだけで十分とは思われませんが、
今回はビジャンシーコ以外の普通のハレオもやりますので、時間もありませんでした。
でも結果的に、欲張り過ぎても、全てを吸収できませんので、
Poco a poco です。少しずつ確実にです。
それで、今回はこれで十分ということで、納得であります。
私も何となく知っていてもちゃんと覚えてなかったものなど勉強し直すことができましたが、
いざ、全部の歌詞を覚えるのはけっこう大変でした。何が大変かって、
それは色々なバージョンがあるので、昔から口遊んでいたものが、
今回勉強した音源のあるバージョンと違っていたりすると、やっかいになったり......
そんな私の個人的なDificultad困難さのなかで、なんと、
発表ライブで私めは、昨年に引き続き半フェステーラ役で、
昔から広くアンダルシアで親しまれてきたところの、
あのNiña de la Pueblaニーニャ・デ・ラ・プエブラが唄ったステキな曲を、
ソロで、歌って踊るという、ちょびっと危険的な試みもあります。
後半はナビダNavidad(クリスマス)ムードたっぷりの構成になっています!
全て、本邦初公開!
わー!それは楽しみですね~~~。
はい、ですから緊張しますが、そこをなんとかやらなくっちゃなりません。挑戦です。
受講生はかなり練習していますので大丈夫、助け合いの精神!
皆さんのソロも楽しめますよ!気が入ってます!
みんなでがんばりまーーーーす!
発表ライブのハレオ、皆さんもいっしょに!
Ole con ole オレ、コノレ(3回)
¡Vamo nos! バモノ(2回)
(チケットのお問い合わせは「シティオ塾」にお願いします。)
「伝統的スタイルのクアドロ講座」がいよいよ9月から始まります。
申し込んでくださった方、楽しく学んでいきましょう!
まだ、定員には若干余裕が有るようです。
興味ありつつも躊躇なさっている方、思い切って参加してみませんか?
クアドロ講座で学ぶことは、参加者同士がその瞬間を共有し、
コミュケーションして盛り上げ合うという、ある意味でフラメンコの一番楽しい部分。
きっと、新しい収穫がありますよ!
そうそう、今回は単発でも受講できることをご存じですか?
地方の方や、忙しくてコース受講は無理な方も、気軽に参加してください。
この講座では、振付や踊りのテクニカが中心の普段のクラスでは、
なかなか取り組めないことが、学べます。
私も皆さん一人ひとりにできる限りのアドバイス、お手伝いをさせていただきます。
総合コースでしっかり学びたい、ライブも出たいという頼もしい方のお申込み、
もちろん大歓迎です。
そういう若い息吹(年齢じゃありません)は、私をとても元気づけます。
お互いにアニモ¡Ánimo!頑張れ、元気出そう!です。
ところで、ちょっと気になったのですが、皆さん、スペイン語の勉強はしていますか?
そう聞かれると、えっ、やばい!なんて思っていらっしゃる方、いませんか?
最近はスペイン語がわかる、話せる人、片言はOKな方が増えてきましたので、
スペイン人のクラスに行ったりしてもちょっとわかる人が説明してくれて助かったとか
そんな話も聞きますし、スペイン語わからなくても何とかなるとは思います。
でもやっぱり、スペイン語がわかるようになってくると、よりフラメンコを楽しめます。
この講座には、質の高いクアドロを目指し、スペインのノリに近づきたい!
という壮大なテーマがあります。Poco a pocoポコ・ア・ポコ(少しずつ)です。
それで皆さんに提案です。
スペイン語の勉強に先ず役に立つのは、ハレオ(掛け声)です。
バイレを観ていて、後ろの歌い手さんやパルマをたたいている人達が掛け声飛ばしているけど
いったい何を言っているんだろう? そんなことを感じたことはありませんか?
クアドロ講座の伴奏パルマ+バイレコースでは、
ハレアールJalear「パルマや掛け声で盛り上げること」も勉強します。
上手にパルマでコンパス刻んで、気の利いたハレオで演技者を元気づける訳ですね。
オレ―Oleとかアサ―Arsaとか基本的なハレオ言葉から始めます。
ええ、ちょっとそれ、どんな時掛けたらいいの?
はい、そんなことも考えながら講座を進めたいです。
ハレオ歌コースでやるのはリズム系の楽しい歌です。
簡単なレトラ(歌詞)を覚えてコンパスに乗せてみたいと思いませんか?
うまく行くとグッと爽快な気分になりますよ!
曲はいろいろです。ルンバや軽快なタンゴ、歌謡曲調のブレリアとか、語り調の昔懐かしいものや、
短く愉快なブレリアだったり、スタートはルンバですので、
♪タカ、タカ、タカ、タカ、タカ、タ///♪Taka taka takatakataka,ta///
どうかな? これ、歌い手の石塚隆充さんのことじゃありませんよ~
楽しいルンバ曲の何でもない繰り返しの部分なんです。
また、もっと先にはビジャンシーコで3拍子の、もうほんとにプーロで楽しいノリで歌えるものも
やりますよ~。見逃せないです!
ちょっと上の写真を見てください。
グラナダのタブラオに出演していた時のクアドロの写真です。1985年頃かな?
その頃グラナダに住んでいらっしゃった写真家の高瀬友孝さんが撮ってくださいました。
楽しかったんですよー懐かしい!バイレちょっと歌沢山で、初めての経験だった
マラガのタブラオとはまた違った趣きのクアドロ、とっても勉強になりました。
でも、この写真、何か足りないと思いませんか?
ふ~~む......、そうなんです。
ギタリストがいないのです。どうして?
トイレに駆け込んだんじゃないですよ~~~
実はギターの弦が切れてしまって、慌てて新しい弦調達に消えてしまったのです。
クアドロでは時々アクシデントや突発事項が発生します。
この時もギタリストが消えてしまって、どうするんだろう?と思ったとたんに
真ん中の座長が楽しいハレオを歌いだしたのです。
いやーそうでなくっちゃ! 彼らのレパートリーは数えきれないです。
伴奏はパルマでOK、その場で楽しい雰囲気作りができちゃうのです。
さぁ、俄然やる気が出てきました。シティオ塾で待ってます!
★詳細とお申し込みはこちら
★舞踊DVD制作中!高橋英子ホームページはこちら
皆さん、講座再開のお知らせです!
昨年に引き続き今年もフラメンコシティオ主催「シティオ塾」でクアドロフラメンコ実践講座を開講する運びとなりました。「伝統的」と銘打って、私のスペインでの体験を活かして意欲的に取り組んだ昨年の講座は、お陰様で無事終了し、華やかにタブラオライブも実現することができました。参加者の皆さんには、何か成果のある、そして楽しく充実した講座であったのなら嬉しく思います。実は「シティオ塾」再開に向けて、昨年の反省も踏まえ、新たな覚悟と希望を持っています。えっ、覚悟、希望?そうです、それはレッスンの時などにお話しする機会もあるかと思いますが、取り急ぎ、今回の講座についてお伝えしたいことがあります。
新規開講です。ではどこが違うの?
昨年は2ヶ月の集中講座+ライブということで強硬スケジュールでしたが、今回はじっくり講座内容を消化できるように2つのクラスにコース分けし、両コースを受講する(総合コース)と、1回2時間半たっぷり勉強できるという嬉しいレッスン体系になっています。ご自分の興味によって、どちらかのコースだけを受講することも可能です。もちろん、講座の最後には発表ライブも企画しています。
では、その2つのコースについてちょっとご説明いたします。
伴奏バルマ+バイレコースは、クアドロの一員として舞台に出る時の心構えや、実際的に要求される技術的な問題をクリアーしていくことを授業内容として取り上げます。クアドロの仲間を応援するハレオの掛け方やパルマの練習など、また、自分が踊るソロの曲以外に踊り手として知っておきたいレパートリーなど総合的にアドバイスしていくことを目的としています。単発参加ができる前半4回のクラスでは、よく踊られる基本的な曲を取り上げて伴奏パルマや基本的な振付例をもとに練習していきます。「おさらい」での伴奏パルマは、実際にクラス参加者の皆さんに自分の踊りの一部分を踊っていただいて、どのように踊りを盛り上げていくか考えたり、バイレコーナーでは基本の踊りの応用ということで、別のパターンの練習などライブに合わせての内容になって行きます。
ハレオ歌コースは、ハレオ歌が好きなアフィシオナードや研究生全般を対象にしていますので、踊り手さんでなくても参加できます。誰でも楽しめるよう、取り上げる曲などは古いものから近年ヒットしたものなどバラエティに富んだ内容で行きたいと思っています。
コンパスをしっかりつかみ、感じられるよう、丁寧に慌てない進行で確実に勉強していきます。クアドロでのハレオ歌は雰囲気を盛り上げるために大切な要素です。ハレオ歌コースで勉強したことを、本番ではいったいどんな風に実践できるのか、「おさらい」ではそんなアドバイスと、一つの演出例を練習することになります。
なぜ、「伝統的」と銘打っているのか?
実際に往年のクアドロフラメンコを見ることはできなくても、そのノウハウを勉強すること、例えば、ショー作りの基本的要素とは何かとか、お客さまにアピールし、喜んでもらえるショー作りの基本とは何かとかは、フラメンコを実践していくために必要なカリクラムである!
そんな風に考えて、積極的なアプローチをしたいと思ったからです。
(左の写真はグラナダで経験したクアドロ。1985年頃)
大切なのは、往年のクアドロフラメンコには観る人との熱い触れ合いがあったということです。そんな触れ合いをライブで感じてもらえたら......という期待もあって、この講座を「伝統的クアドロフラメンコ」と名付けており、レッスンではいつでもその永遠の精神を勉強していきます。
ただ、その内容についてですが、例えばハレオ歌やフィン・デ・フィエスタの選曲、また、例えばショーを構成する、演出する踊りの振付などはその時、その時代で変わって行くのは自然なことだと思います。ですから、上記の「ハレオ歌コースで勉強できること」で申し上げましたように、昔からのクアドロの精神を尊重し、古いものを勉強するだけでなく、近年流行した曲や、踊りでは比較的新しいセンスやアイレなども、それぞれうまく取り交ぜた授業内容にして行きたい、と考えています。
ここで、ちょっとここで触れたいことがあります。
スペインにはフラメンコではないスペインの歌が勿論のこといっぱいあるのですが、面白いのは、フラメンコの世界では、フラメンコでないポピュラーなどをフラメンコ風にして歌ってしまうような芸当もあったりすることです。私はこの講座の為に昔スペインに行く前に習ったハレオ歌の元歌はいったい何なのかを調べていて、もとになったルンバに、その時期ヒットした曲のいいところをくっ付けてフラメンコ風にしてあったという、そういう発見をしまして、とても愉快な気分になりました。これだから止められないフラメンコなのであります。このようにハレオ歌にはその時のアーティスト達のフラメンコ性が反映されると思います。同じ歌でも歌詞を替えたり、メロディもちょっと変えたり、パルマ、演出などにもよって面白くなったり、普通だったり、つまらなかったり......勿論即興的になったりもあります。
そういうふうに時のスペインの流行歌があるように、フラメンコでもヒット曲が出ると一斉にあちこちで皆が歌いだします。流行ります。人気アーティストのヒット曲などはクアドロでよく歌われました。とにかく全体的にみてよく歌われていたのがカマロンですが、70、80年代はルンバ、タンゴ、ブレリアなどが専門の実に沢山のフェステーロス、ルンベーロスやルンバグループなどがたくさん活躍していたのでして、今より一時代前の方がフラメンコの流行歌多かったのでは?? と、私なんかには思えてしまうくらいです。ちょっと話がそれましたが、皆さん、ディエゴ・カラスコのことはご存知だと思います。ディエゴはほんとに楽しい!今回もディエゴの一節二節やってみましょう!
ちょっと欲張り?今回のレッスンは、それだけではありません!
この講座のメリットは、スペインの伝統文化に直結していることです。フラメンコがスペインで生まれて育まれたものなら、そこにスペイン文化の影響があるのは当然です。スペインはカトリック王国です。ですから、大半の人々はカトリックの宗教行事にならって生きています。そういうカトリックの宗教行事、お祭りの一つがクリスマスです。そして、それを無視してフラメンコの勉強はできません。と言うより、無視できないほどフラメンコに繋がっているのです。そのクリスマスNAVIDADに歌うクリスマスソング、それをビジャンシーコVILLANCICOと呼んでいるのはご存知の方も多いと思います。このビジャンシーコをクリスマスの期間中は何かにつけて歌うのがスペイン人の習慣であり、楽しみなのです。
クリスマスが最高潮になるのは何といっても24日のクリスマスイブNOCHE BUENAです。この日ばかりは家族が全員集合していっしょにお食事、ごちそうです!そしてその後はフィエスタ、ビジャンシーコで盛り上がるのです!しかも、ビジャンシーコにはギターより、他の楽器が活躍するのです。「サンボンバ」ってどこかで聞いたことありませんか? La Zambombaクリスマス楽器です。(写真)ヘレスではこの楽器の名前が、クリスマスのフィエスタを意味します。他にパンデレタPandereta (タンバリン)もクリスマスの楽器として活躍しますが、例えばアニス(甘いクリスマスに飲むお酒)の空き瓶やコップなども楽器に変身してしまうのです! なんだかそんなスペイン人の楽しみを共有したくなりませんか?ですから、今回、ハレオ歌ではビジャンシーコも勉強します。
しかも、私の第2の故郷、グラナダで歌われている楽しいビジャンシーコを今回の講座で勉強できるのです!なんだかワクワクして来ませんか?
さらに、今回の発表ライブ「オレ・コノレ」Ole con Oleは、クリスマスイブの前日、12月23日に企画しているのです!
わ~~~~なんだか私もちょっと興奮して来ました。ビジャンシーコも歌ってクリスマスライブ、楽しそうじゃありませんか!今年の忘年会は決まり、思いっきりフラメンカに行きたいですね。
「シティオ塾」で待っています!
詳細とお申込みはこちら
→昨年の講座開催にあたって、このブログに詳しい説明など書いていますので、読んでない方は是非ご一読ください。
●シティオ塾で待ってます!講座開講に寄せて①→こちら
●豊かなフラメンコの世界へ!講座開講に寄せて②→こちら
●発表ライブ「Ole con Ole」に向かって!→こちら
高橋英子ホームページ「みっつのザクロ」
シティオ塾「伝統的クアドロフラメンコの実践講座」は、いい感じで只今進行中です。
受講生のみなさんは講座に興味を持ち、いろいろと都合して受けてくださっていますので、
こちらも沢山勉強になる有意義なレッスンにしたいと毎回気を入れて臨んでいます。
地方から長距離バスで通ってくださっているフラメンカさんもいますよ!
発表ライブ(参加自由)付きのこの講座ですが、考えてみると、
2ヶ月の集中講座を受けて消化する間もあまりなくワーッと本番、即実践というのは、
受講生にとって足ガクガク、胸ドキドキものかもしれませんね。
ちょっと強硬なんじゃない?と、どこからか非難の声が聞こえてくるような......。
でも、もうチラシができてしまいました!
このライブタイトルですが、「オレ、コン、オレ」じゃなくって
「オレ、コ(ン)ノレ」と読んでください。(汗→ちょっと書くのが難しい!)
皆さんご存知の「Oleオレ」は、掛け声(ハレオ)の中でも一番ポピュラーで頻繁に使われます。
このタイトルは、誰でも親しめるこの「Oleオレ」がとっても沢山っていうふうに考えてください。
出演はクアドロフラメンコ「ベンタ・エル・ハレオVenta El Jaleo」のメンバーです。
勿論このライブの為に結成された一時的グループで、グループ名も私が勝手に決めています。
メンバーはシティオ塾参加以前は全くの他人でしたが、この講座参加で知り合い、意気投合し、
仲間意識も芽生えて来ています。皆さんやる気満々です。
とっても明るくワイワイガヤガヤ、全く私としては嬉しい限りであります。
困難を乗り越え、この講座を始めて良かった!と明日への希望が湧いてきます。
受講生の皆さん、ありがとうございます!
ベンタVentaとは、都市からプエブロ(村)へ向かう街道沿いにある休憩所のようなところです。
酒場だけだったり、レストラン兼旅館だったりと規模はいろいろですが、アーティスト、
アフィシオナード、他フラメンキートな人達などの寄合所にもなっていたベンタが昔はよくあって、
フラメンコのフィエスタ、フエルガが行われていたようです。
エル・ハレオEl Jaleoとは、私が大昔働いていたマラガ県トレモリーノスのタブラオの名前です。
ここで実地訓練し、勉強したことに則って今回の講座をやっていますので、
その精神を受け継ぐ意味で発表ライブのクアドロ名にしました。
タブラオのEl Jaleoはすでに存在していたので、タブラオではなく、先ほど説明したベンタとし、
Venta El Jaleoとしてみました。いかがでしょうか? Venta El Jaleoは実際には存在しませんが、
その精神はここにあり!まぁそんな感じでしょうか。
ですので、今回のハレオ歌は30年、40年以上も前に流行り、よく歌われていた古の曲が多いです。
フラメンコ学習の意味で必至の曲などもあります。やはり「伝統的な」を意識しています。
しかしそれを意識すればするほど「難しさ」が増します。
私自身もフラメンコの壮大さ、奥深さ、自分自身の完成度などを考えるとまだまだ勉強中ですので、
今回はできる範囲の「おかしくならない形」でまとめることとしました。
ここでお断りしておきます。ハレオ歌は全てオリジナルを尊重していますが、
わたし風になっている部分も多いです。
星の数ほどある歌の中から、ハレオ歌として楽しめるものを選びますが、
オリジナルなんかわからず、人が歌っているのを聞き覚えたものも多いのです。
元歌をフラメンコ風に変えてしまったり、歌詞を替えたりということもある世界です。
どんな風にハレオ歌を歌うか、まとめるか、そしてクアドロの演出は
仕切る人のセンスの見せどころだと私は思います。
余談ですが、あれこれハレオ歌やルンバなどを思い出しているうちに、私がスペインに行く前、
日本の先輩の方々に習った曲なども勉強し直すこととなり、新たな発見があったりしました。
私にとっては研究課題が増えてしまいましたが、俄然、楽しくなりました!
ところで、発表ライブの主な目的は講座で勉強したハレオ歌や掛け声、パルマなどの実践です。
そして各人が自分を押し出してしっかり踊っていただくことにあります。
舞台に上がっている限りは、ハレオ歌を歌い、踊りになるとパルマや掛け声で応援、
踊りが終わると次のハレオ歌というふうにいつもフル回転で、仲間が踊っている時も
ボーっとしてはいられないので大変です。
そんな中で自分もしっかり踊らなくっちゃならないのです。
ソロの踊りは各人の持っている振りで踊っていただきます。
先生についている方は、先生に習った振りをそのままやっていたり、先生に直してもらったり、
経験の長い方は習った振りを自分で今回の為にまとめ直したりしている方もいらっしゃいます。
ソロの踊りに関しては、私は今回踊るために必要な最小限のアドバイスだけしています。
タブラオ等で踊る時には実際問題どんなことが必要になってくるのか?
それを考えると、各人が自分で自分の踊っているバイレの構成を
どこまで分かっているかが問題となります。先生に振付けてもらった踊りなら、
先生がどのように振付けたのかを、音楽構成も含めて理解しておかなければなりません。
この講座が、そういうことも大切なんだということを認識したり、自分の踊っている踊りを
見つめ直すいい機会となれば幸いです。
講座も終盤に差しかかりました。発表ライブまで1ヵ月を切りました。
受講生の皆さんはハレオ歌のレトラ(歌詞)が頭の中で渦巻いていることでしょう。
スペイン語に慣れるどころか、混乱してしまっているんじゃないかとちょっと心配......大丈夫かな?
答えは、「やってくれる!大丈夫。」です。
参加者の皆さんは本番が来るのをとても楽しみにしています。
密かに特訓しているようですよ。どんな晴れ姿を見せていただけるのか楽しみです。
さて、私は座長役ということでして......いささか緊張しています!
実は私個人が主宰している教室「クルソフラメンコ」では、発表会、発表ライブで、
必ずクアドロフラメンコをやって来ました。「クアドロが楽しかった!」と、
よくお褒めの言葉をいただいたものです。エヘン!(笑)
ですから座長役は初めてではありませんが、
なんと今回は、私も受講生に混じって発表するのです!
フェステーラがいないのでその雰囲気だけでも......と思いまして、歌って踊ります!
ギェー!はい、お断りしておきますが、唄はうまくないです。すいません!
でもフラメンカです、多分。参考にほんのちょっとですがこの映像を見ていただけますか。
もう恥ずかしいなんて言っていられなくなりました!やるっきゃないです。
さぁ、これから本番まで特訓開始です。そして、今回も張り切って行きます!
皆さんもハレオ(掛け声)の練習がてら見にいらっしゃいませんか?
★発表ライブ詳細
フラメンコ楽学広場 シティオ塾「伝統的スタイルのクアドロ実践講座」
受講生発表ライブ OLE CON OLE
[日時]2014年11月16日(日)17:30 開場、18:00 開演
[場所]高円寺/カサ・デ・エスペランサ
[チケット料金]3,000円(ワンドリンク付)※追加オーダー出来ます。
[バイレ]石本国子、小林浩子、高橋明子、竹田絹恵、中嶋藍子、高橋英子
[カンテ]エル・プラテアオ [ギター]小林亮
[チケット申し込み・問い合わせ先]
メールにて件名に「クアドロ発表ライブチケット申し込み」と明記の上、
氏名・チケット枚数・連絡先電話番号・アドレスを記入してシティオ塾juku@flamenco-sitio.com まで送信ください。
新人公演が終わりました。参加することに意義をもって経験を積み精進していきたいと願う多くの
フレッシュなフラメンコ実践ファンが一同に集まった舞台で、舞台裏も会場内にも
熱気が籠っていました。こんなに沢山の人達がフラメンコを好きで、やっている、関係している......
当事者が増えて、昨今のフラメンコ熱は単なる興味だけではなくなってきたようです。
大きな舞台で1人で踊ることは凄いパワーを要します。日頃から少しずつ力を付けておかないと
いきなり大きな舞台はしんどいです。どんな処でもいいです。どんなボランティアでもいいです。
踊ってみることは決して損になりません。教室だけでなく、幅広く自分の輪を広げていくと
友だち、知り合いなどと人間関係も広がり、気の合った仲間もできたりします。
みんなで楽しみ、感じること、みんなで何かやることなど、独りから複数になって
フラメンコに接していくことも心の安定に大切なことかもしれないなと思います。
さて、「シティオ塾」の私の講座に
ちらほらと申し込みがあります。
ありがとうございます!
でも中には、興味があっても時間やマネーの都合が付かない、
そんな方などもいらっしゃるようです。
すいません!
ただ、考え中で決断がつかない方がいらっしゃったら、
ちょっと聞いてください!
皆さんにお知らせです。
このたびフラメンコシティオ主催「シティオ塾」にてタブラオで踊るためのレッスンを開講いたします。フラメンコ舞踊の勉強の仕方としては、アカデミー(教室)に通い、基本レッスンから始め、次の段階でアレグリアスやソレアレスのようなフラメンコ曲(パロPalo)の振付を習っていきますね。初めはセビジャーナスなんかを習うのも日本ではお決まりのコースかもしれません。そんな感じで、基本練習やいろんな曲を次から次へと習っているうちにレベルも自然にアップして行きますから、うまくなって行けばまたレベルアップした基本練習、振付が必要になって行きますね。ある一定の期間が経つと発表会などで本番を経験することにより、習ったことが実になって行くものです。
発表会は劇場などでやる大規模なものと、タブラオなどでやる小規模なものがあります。どんな形の発表会であるにせよ、その体験は後に活きてきます。ただ本当に個人の実力を養うには、ひとりで踊って、舞台で起こりうる問題などに自分で対処し、責任を持って自分の演技を終えるという訓練が大切になります。そう考えると、小規模なタブラオライブを経験することは、各個人の意識度を高めるいい勉強となり、そういった実地の訓練を重ねているうちに、あなたはもっとフラメンコに目覚めて行く自分を実感できるのではないでしょうか?
ですから、習った踊りを先ずは「タブラオで踊ろう!」というのがこの講座での提案です。
最近はタブラオでも発表会が多くなりましたが、1人で踊るのはいいにしても、ただ順番に各自がソロで踊るだけではちょっと物足りないです。では、そもそもタブラオのショーっていったいどんなものなのかということを考えたいです。それははっきり言って、その店のやり方、出演グループのやり方で、様々な内容となります。普通、複数の出演者がいる時、「クアドロ」で一人ずつ踊るのが主流でしょう。みんなで顔見せの踊りなどを出だしにやって、最後はブレリアのフィン・デ・フィエスタをやったりしますね。ちょっと別格のアーティストがいると、休憩の後にそのアーティストのソロをたっぷり観せるというような感じになります。
それではその「クアドロ」って、何なのでしょう?
「クアドロ」は「クアドロフラメンコ」のことで、かいつまんで言えば舞台に1人ではなく複数が並んで座り1曲ずつ演技するフラメンコのショースタイル、というふうに解釈されています。語源的にはスペイン語の絵や額縁、その他を意味するエル・クアドロEl cuadroという言葉がありますが、集合的に使われてクアドロ・フラメンコCuadro flamencoという言葉がいつの日からかできて来たようです。言ってみれば「歌ったり、ギターなどの楽器を奏でたり、踊ったりしてフラメンコをやる集団」ということで、簡単に言えば「フラメンコ一座」ということでしょうか。このフラメンコ一座の賑やかなショーなら、どんな処でやってもそれは「クアドロフラメンコ」と言えるのだと思われます。何らかの演出を施してショーとして楽しめる形になっています。
その「クアドロフラメンコ」っていうのをやってみよう!というのがこの講座のテーマなのです。
ただ、私がここで言っている「クアドロ」には注釈が付きます。
ただのクアドロじゃないのです。それは、往年のタブラオで行われていたシンプルなスタイルのクアドロなのです。そこには昔からの「やり方」というものがあります。それに則ってクアドロで踊ることは、自分の度胸を養ったり、楽しく活気あるクアドロを展開するための協調性を養うことにも繋がり、それはわたしがとても大切に思うことのひとつです。まさにクアドロの基本スタイルといえるでしょう。
そこで私は、スペインでの体験を活かしてレッスンに臨みたいと思います。
初めてのクアドロらしいクアドロ、激しいパルマに圧倒され、毎晩ヘトヘトになって家路についた日々。そんな衝撃的な実地訓練の中でハレオを掛けたり、唄を覚えたり、同じことをやっているのに毎日が同じでないことが楽しかったりもしました。わたしが31年前に初めて訓練を受けたマラガ県トレモリーノスのタブラオ「エル・ハレオ」では、第一部に店の抱える各アーティストが自慢の演技を一人ずつ見せるクアドロがあって、第2部が店のスターによる絶妙の演技、アトラクションAtracciónがありました。下の写真はその時クアドロで踊っている私(中央)です。
「エル・ハレオ」ではクアドロには踊り手だけでなく、ブレリアやタンゴを歌ってちょっと踊るフェステーラFesteraやルンバを専門に歌うルンベーラRumbera等もいました。そしてシンマイやベテランなどレベルもそれぞれ、貫録あるお婆さんなんかもいましたよ。とにかくバラエティに富んでいたのです。ハレオ(掛け声)が飛び交う中で、みんなが個性たっぷりと自分の演技を披露します。作られたものじゃない、ウソのないその人自身が見えて来るような......ですから色々でとっても楽しめました!こういうクアドロって今の時代、もう殆んど観られなくなりました。
ですから、スペインでの往年のクアドロフラメンコにあった「伝統的なアイレ」に倣って講座を進めて行きたいのです。さあ、なんだか楽しそうなレッスンになりそうじゃありませんか?
では実際問題、どんなことやるの?というご質問にお答えします。
1時間以上あるクアドロの最中いつもやっている事、それはパルマ(手拍子)を打つことと、ハレオ(掛け声)をかけることです。他の人の演技を盛り上げる芯のある、気の利いた伴奏パルマはクアドロのノリを作って行きます。心地よい音で、リズムに乗ったパルマを打てるようになりましょう。ハレアールJalear(掛け声かけて盛り立てる、元気づける)することもとても大切です。基本的な掛け声(オレOle!とか、アサAlza!とか)も勉強しましょう。各アーティストの演技の合間に気分を変えて、ルンバやタンゴ、ブレリアなどを歌ったりします。それもハレオと言いますが、レッスンでは毎回パルマの練習から始め、ハレオを覚え、パルマを叩きながら歌えるようになるまで練習しましょう。
踊りに関して勉強できることもあります。
この講座の受講資格はソロで1曲以上踊れる曲があることですが、実際はそれ以外にもクアドロの開始時、終了時に各自の簡単なブレリアや、ルンバなど、場合によってはタンゴ、ファンダンゴ・デ・ウエルバなどの振りが必要になります。これに関するアドバイス、全員での揃いの踊りの簡単な振付も必要に応じてすることになります。
発表ライブに関して、ひとつわかって欲しいことがあります。
基本的に皆さんの踊れる曲でライブにも出演できます。ただ、振付が凝って、煩雑でないシンプルな踊りがいいです。昔はまだ舞踊技術が発展してなかったので大切なのはアイレでした。ですから、自分の踊りをできるだけオーソドックスにして、雰囲気あるものにすることが理想なのです。確実に余裕を持って踊れる曲を選びましょう。レッスンでは時間の許す限り参加者の皆さんにも少し踊っていただき、みんなで伴奏パルマを叩く練習時間を設けます。そして、発表ライブに出演したい方には踊りに関するアドバイスなどもさせていただくことになるかもしれません。
参加者同士の協調性、各自の自発性が大切!
クアドロは自分1人のショーではありません。昔ながらのクアドロスタイルを勉強して、そして、できたらタブラオライブを経験して、みんなでみんなを盛り上げて活気ある雰囲気をつくることの大切さ、楽しさを実感してください。自分の演技に自信を持って、雰囲気を楽しんでください。皆さんにやる気があって、そして楽しんでやっていればきっとお客さんにも満足してもらえます。勇気を出して挑戦しましょう!年齢は問いません。ライブでは私も座長役で舞台に立ちます。
2ヶ月集中して頑張れる皆さん、待っています!
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